らくらく化学実験_鉄 酸素 酸化 反応速度 表面積

鉄の火のカーテン

「実験テーマ」
鉄が空気中で燃える
鉄を粉末状にして表面積を大きくすると、反応速度が高まり、空気中でも発火する。
「学習項目」
@ 酸化還元反応 A酸化数 B反応速度

鉄の粉末がスパークする!

動画1:鉄くぎをやすりで粉末にしたものを炎にふりかける。


動画2:粉末を集めて息を吹きかけてみた。
「画 像」
完全に黒化するまで強熱する

「動画2」粉末状の鉄粉が空気中で酸素と化合して発火する!

関連実験ページ:炎の復活 酸素で燃やそう

こちらは線香花火、参考まで!

脱酸素剤:鉄の粉末が酸素を吸収


「準備物」

新聞紙 鉄くぎ(長め) ヤスリ ガスバーナー シュウ酸鉄(U)二水和物4g〕 乾いた試験管 試験管ばさみ 

「操作手順」

 WEB非公開

「注意事項」

1.  シュウ酸鉄をバーナーで加熱する際は、突沸しないよう適当に刺激を与えると良い。

2.  操作6では、服に引火させないよう、よく手を伸ばすこと。

3.  新聞紙を破棄するときには、水でぬらし完全に消火を確認すること。

「解 説」

1.  形状が変われば性質も変わる

鉄と言えば、一般に知られる金属の代表。硬くて丈夫なイメージがあり、もちろん鉄クギを火であぶっても燃えることはない。しかし、ヤスリで細かい粉にしてやると性質は一変し、容易に燃えるようになる。もっと細かい粉にすれば、爆発的に反応を起こす危険物となる。容易に発火するようになる理由は、粉状にした際の表面積の増大にある。鉄が空気中の酸素と反応する場合、反応に関与する一定の粒子数が必要であるが、表面積が大きいと、単位体積あたりの粒子数が増えるのである。反応速度が増大し、容易に酸化反応が起こりやすく、要するに鉄でも燃えやすくなるということである。関連実験で、酸素中でスチールウールを線香花火のように燃やすというのもあるが、この場合も、同じ金属でも、形をかえてやると、物理的化学的性質が変わることがあるということを示している。

2.  空気中でも自然発火

シュウ酸鉄(U)は、黄色粉末であるが、加熱により、次第に黒みを帯びてくる。実際には複雑な反応が起こっていると考えられるが、反応式としては、次の反応が最も理解しやすい。

FeC2O42H2O  → Fe + 2CO2  + 2H2O  

加熱していくと、激しく気体(一酸化炭素COや二酸化炭素CO2)が発生し、熱分解反応が起こっている様子が伺える。反応が落ち着く頃には、黒色でさらさらの微粉末が試験管の底に残る。黒色成分は、鉄や鉄の酸化物で、FeFeOFe2O3Fe3O4が混在しているものと考えられる。シュウ酸の部分が抜け出た微粒子体と考えられ、表面積が大きいために、空気に触れるだけで容易に発火する。高所より振り落とすようにすると、床に着地するまで、まるで火のカーテンのように発火するので圧巻である。床に敷いた濡れた新聞紙を観察すると、茶褐色の生成物が観察できるはずである。

 

「参考・引用」

日本化学会『化学を楽しくする5分間』化学同人

「確認演習」
  1. 鉄クギと粉状の鉄の反応性の違いは何によるか、説明しなさい。
  2. 生じた鉄の酸化物と考えられるものを、列挙しなさい。
  3. 2.8gの鉄から、その50%がFeOになったと仮定し、生じた物質の質量を求めなさい。
  4. 生成物の一部には磁石につくものが含まれている。その物質について、性質や用途を調べなさい。
  5. 菓子袋などに入っている「脱酸素剤」の働きについて説明しなさい。
  6. 実験Bで、試験管を加熱した際、発生したガスは何であると考えられるか。
「参 考」化学を楽しくする5分間(日本化学会 化学同人)
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編集:山田暢司