らくらく化学実験

    教えてテルミー「テルミット法」!


「実験概要」単体の金属を取り出すテルミット法という技術を使い、鉱石(酸化鉄)から純鉄を取り出す。
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「画 像」
マグネシウムリボンに着火
激しい炎とまばゆい光を放つ!



 動 画:激しい炎とまばゆい光を放つ!



「画 像」
鉄が還元されて生成する。黒光りしてずっしりとした重量感がある。



「準 備」
電子天秤(各班) 酸化鉄(V)+アルミニウム粉末の8対3の混合物 硝酸カリウム0.3g少量 薬さじ マグネシウムリボン5p ろ紙 磁石 三角架 500mℓビーカー ペーパータオル ライター


「操作手順」

  WEB非公開


「片づけ」
1.
試料の残りカスは流しに捨ててはいけない、指示通りに!
2.
水ぶきていねいに。ぞうきんは最後に洗うこと。


「解 説」

1.  劇的な酸化還元反応「テルミット反応」

テルミット反応として知られる酸化還元反応である。酸化鉄とアルミニウム粉末の混合物に着火すると、アルミニウムが酸化して金属酸化物を還元する。まぶしいくらいの光を発し、高熱になり一気に反応が進行する。還元された鉄が真っ赤な固まりとなって、下のビーカーに落下してくるが、水と反応して蒸気を発しながらようやく冷やされて落ち着くまでダイナミックな化学変化を堪能することができる。各金属原子の酸化数の変化に着目して、化学反応式で表現すると次のようになる。

Al + Fe2O3 → Al2O3  + 2Fe

(0)  (+3)   (+3)    (0)

結果として、イオン化しやすいアルミニウム原子が酸化して電子を鉄原子に渡し、還元された鉄が単体となって生成したことになる。生成した単体鉄は、磁石に付くので取り分けることができる。この鉄は、ほぼ純鉄と考えてよく、黒光りしていてきれいであり、ずっしりとした重量感もある。

2.  大きな熱が発生

反応に際して大量の熱を発生するが、古くからテルミット溶接と呼ばれ、鉄道のレールを溶接するときなどに多用された。また、かつては軍事目的において焼夷弾に利用されたとも言われている。このテルミット反応における反応熱(酸化アルミニウムの生成熱)は、熱化学方程式により算出することができる。まず、アルミニウムの燃焼熱(838kJ)と酸化鉄の生成熱(824kJ)は次のように表すことができる。

Al + 3/4O2 = 1/2Al2O3 + 838kJ ・・・@

2Fe + 3/2O2 = Fe2O3  + 824kJ ・・・A

  これから酸化アルミニウムの生成熱を求めるためには、@×2−Aとすればよい。

2Al + Fe2O3  = Al2O3 + 2Fe + 852kJ ・・・酸化アルミニウムの生成熱

  すなわち2mol(=54g)のアルミニウムがすべて単体鉄の生成に使われたとすると852kJもの熱が発生することになるのである。


「確認演習」
1.アルミニウムと酸化鉄(V)の反応を化学反応式で表しなさい。各物質名と構成する各原子の酸化数を下に書きなさい。また、酸化された物質、還元された物質がわかるように、酸化反応を赤、還元反応を青色の矢印で表すこと。
2.酸化剤とは何か、この反応において、酸化剤として働いた物質は何か?
3.還元剤とは何か、この反応において、還元剤として働いた物質は何か?
4.生成物について答えなさい。(鉄の原子量=56)
 (1)使用した酸化鉄(V)のモル数を求めなさい。
 (2)反応式上では、その酸化鉄(V) から、何モル、何gの純鉄が得られることになるか。
 (3)実際に得られた鉄の質量から収量効率を%で求めなさい。
5.発生した熱について、答えなさい。(アルミニウムの原子量=27)
 (1)この反応をアルミニウムの燃焼反応ととらえて熱化学方程式で表しなさい。ただし、アルミニウムと酸化鉄から酸化アルミニウムが生成する際の熱量をQkJとする。
 (2)使用したアルミニウム粉末がすべて反応に関わったと仮定して、反応により発生した熱量を算出しなさい。


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 編集:山田暢司