<リビングケミストリー>

「実験テーマ」水の極性を調べる

「サブテーマ」たいへんな帯電!

「実験目的」静電気を起こしたものを近づけると水が引きつけられることを確認する。

「学習項目」

@電気陰性度 A極性分子

**********************************************
「画 像」
左:ペットボトルから水を滴下。帯電したストローを近づけると、水流のコースが曲げられる!これだけ、引っ張られるというのは驚きだ!
右:塩ビパイプでネギを誘導。極性を持つ水を十分に含んでいる野菜にも同様な現象が。キュウリやバナナなど、長めの野菜がモーメントの関係で演示しやすい。



「動 画」
ペットボトルから水を滴下。



動 画 2」
ビュレットから滴下した水が吸い寄せられる。



「動 画 3」
天井からつるしたネギが塩ビ管の持つ静電気に引き寄せられる。
やはり、ストローよりも塩ビ管の方が電気をためやすいようだ。


「動 画 4」
天井からつるしたネギがストローの持つ静電気に引き寄せられる。



*******************************************
「準備物」

「操作手順」

  WEB非公開

「注意事項」

1.  ペットボトルから、細長い水流が観察できるように、キャップの穴の大きさを加減する。

2.  液体の流れる量は、ガムテープのはがし方で工夫することもできる。

「解 説」

1.   化学結合における電荷の偏り

原子間の結合において、電子を引きつけようとする傾向を電気陰性度という指標で表す。ポーリングの値をまとめた表がよく知られているが、例えば、水素は2.1、酸素は3.5、塩素は3.0というように数値化されているものである。この数値に差のある原子間の結合では、結合に関わる共有電子対が数値の大きい原子の方に引き寄せられる。塩化水素の場合であれば、水素−塩素間で電子の偏りがあるため、ややプラスとマイナスに荷電する部分が生じてしまう。このように電荷に偏りがあることを、極性があるという。電気陰性度の値の差が大きいほど、結合のイオン性が強まり、小さければ共有性が増すのである。もちろん、水素分子や窒素分子のように同原子で電気陰性度に差がなければ無極性分子となる。

2.   水が静電気に引き寄せられる

流水がまるで磁石に引き寄せられるように、流れ落ちるコースが曲がってしまう。同様に、野菜(キュウリやにんじん、長ネギなど)を糸でつるして、帯電したストローを近づけて、引き寄せるという実験がある。これらは、水分子に極性があるために起こる現象である。ただし、原子間に電子の偏りがある場合でも、その分子が極性を持つか否かは分子全体の構造を考える必要がある。水の場合は、酸素原子にほぼ直角(104.5)に2つの水素原子が結合し、マイナスの電荷とプラスの電荷が偏る極性分子となる。外部からどちらか一方に荷電した物体を近づければ、水のそれと逆の極性を持つ部分が引きつけられてしまうことになる。しかし、二酸化炭素分子のように、結合間には電気的な偏りがあっても、分子構造によって正負の電荷の中心が打ち消し合ってしまう場合もあるので、極性の有無はあくまで分子全体としてとらえることが必要となる。

「演習問題」

1.   水分子を構成する原子の電気陰性度を調べ、次の指示に従いなさい。

(1)水分子が極性分子であることを図説しなさい。 

(2)水素結合とは何か、水分子を例に図説しなさい。

2.   適語を記入しなさい。

(1)水は(  )性分子であり、分子間で引き合う力が強いために、融解や蒸発の際に大きなエネルギーを必要とする。したがって、他の酸素の同族水素化物(硫化水素など)と比較して、融点や沸点が極端に(  )くなる。

(2)特に液体において、極性を持つ分子は極性を持(  )分子とよく混ざるが、無極性分子とは混じりにくい。

(3)塩化水素やアンモニアは(   )性分子である。

(4)二酸化炭素の構成原子である炭素Cと酸素O間には電気陰性度に差があるので電荷の偏りは存在する。しかし、原子が直線形に並ぶため、電荷が打ち消し合い、分子全体として(    )となる。


 トップページへ戻る→
 編集:山田暢司