<らくらく化学実験

   クスノキからショウノウを取り出す


「実験概要」
クスノキの葉から香気成分である「ショウノウ」を水蒸気蒸留により得る


「学習項目」
@  成分の分離 A水蒸気蒸留 Bショウノウ


「画 像」
左:水蒸気を葉に通し、留出してきた成分を冷却して得る仕組み。還流管は長い方が安全。
中:抽出後、結晶化してきたショウノウ。かなり強い香気を発する。
右:クスノキ(楠)の生葉:乾燥させれば大量に詰め込むことができる。




「動 画」
蒸留の様子
樟脳(ショウノウ)は、クス(楠)から得られる香気成分で、古くからタンスの防虫剤として使われてきた。自然素材の防虫剤ということもあって、需要が復活しているらしい。ノーベル賞の野依さんの研究でも注目された物質。



準備物」
蒸留装置 フラスコ2器 枝付きフラスコ 還流管 沸騰石 温度計 クスノキの生葉 冷却管

「操作手順」
 
 WEB非公開

「注意事項」

1.  蒸気が噴き出すことがあるので、沸石を必ず使用し、還流管は長いものを使用すること。

2.  ガラス管をゴム栓に通すときには慎重に。

解 説」

1.  水蒸気蒸留による成分の分離

比較的蒸気圧の高い成分を水と混合させることで、比較的低温で目的成分を蒸留・分離する方法である。目的成分の蒸気圧と水の蒸気圧の和が大気圧に等しくなると沸騰が起こるので、蒸気になって留出してきたものを誘導して冷却する。植物体に含まれる香気成分の分離に都合良く、水に溶けにくい成分ならなお分離しやすい。ハーブオイルなどの精油を得る方法として、工業的に利用されることで知られる。

2.  ショウノウ

ショウノウ(樟脳)は、クスノキから得られる香気の主成分で、融点 180℃、沸点 208℃の白色半透明の結晶。C10H16O で表されるケトンの一種だが、分子内には6員環のケトンにプロパンの第2炭素が橋渡しでつながる二環性の構造を持つ。カンフルと呼ばれることもあり、血行促進や鎮痛、消炎作用があるため外用医薬品に使用されることでも知られる。「カンフル剤」という表現は、血行促進で元気を復活させる特効薬の意味として用いられることもある。防虫・防腐剤として使用され、ショウノウをタンスに入れる習慣は古くからあったようだ。ただし、一定量を飲み込めば有毒であり、注意が必要である。クスノキ(樟、楠)は、クスノキ科ニッケイ属の常緑高木樹、葉につやがあり、初夏に淡黄色の花を付ける。木材としては、耐湿・耐久性に優れる。


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編集:山田暢司