らくらく化学実験」/Fun Chemistry Experiment

べとべと不思議物質「スライム」


サブテーマ:つかみどころがありません!

「実験概要」べとべと物質スライムを作る!
子供の間では、数ある工作実験の中でもダントツの人気「スライム」作り。洗濯ノリを材料に、べとべとしていて濡れているようで濡れない、形ができるようでできない。なんとも不思議な触感ですが、なぜこんなつかみどころのない「おもちゃ()」が人気があるのでしょう?
 材料の洗濯ノリは、粘性はあるものの割りばしですくってもはしに引っかかりはしません。四ホウ酸ナトリウムの水溶液の方も同様です。しかし、両者を混ぜ合わせると明らかに変化が現れて硬くなって、そのまま割りばしで全部を引きあげることもできます。手にとりますと最初はどろどろと水っぽいのですが、手のひらでころころ丸めていくうちに固まってきてボールのように弾みます。また、本当に固まったかなと思うと、大きく広げて透きとおった幕にして遊ぶこともできます。

「キーワード」
PVA 高分子化合物 架橋 ゲル

「画像」
 
 


「準備」「操作」「補足」「注意事項」

WEB非公開

「解 説」

1. PVAが水を含んだままゲル化する

洗濯ノリの主成分であるPVAとはポリビニルアルコールの略で、一般に市販されているものには10%程度含まれているようです。ポリビニルアルコールは、エチレンに水分子が付加したビニルアルコール CH2=CH-OH が重合した形のCH2-CH(OH)nで表せる巨大分子(ポリマー)です。ただし、ビニルアルコールは不安定で工業的には別の化合物から合成されています。このPVAですが、洗濯ノリ中では水によく溶けて、比較的水の中を自由に動き回ることができます。しかし、そこに四ホウ酸ナトリウム由来のホウ酸イオン [B(OH)4]- (またはBO2-)が加わると、PVA分子内のヒドロキシル基 -OH と水素結合をするため、長い鎖のあちこちで架橋がかかるのです。

動きを制限されたPVAの鎖の間のあちこちに水分子が留め置かれてしまうため、水を含んだ粘性の高いゲルとなるわけです。

 

2. ユニークな遊具「スライム」

濡れているようで濡れていないといいましたが、実は手でこねるうち体温により水分が少しずつ抜けて扱いやすくなるのです。ある程度は保管が効き、また水分を加えてやれば感触がもどりますが、不衛生であるので再利用はあまり進められません。

さて、このスライムですが、元の意味は英語の「泥状・粘液状」を示す「slime」からきており、様々なメディアを通してキャラクター化されてきたという経緯があります。玩具としてすでに1970年代には商品化され、理科教材としては、1980年代に海外から紹介されています。学校教育現場で作り方が公になってから、全国に爆発的に広がり現在に至るまで「スライム」の名を知らない子供はほとんどいないのではないでしょうか。もともと、二次大戦時にゴムの産地を日本軍に占拠されたアメリカが人工的にゴムを作ろうとした過程で偶然に生まれた産物だそうで、日本と少なからず関わりがあるようです。ともかくも高分子の物質にじかに触れる良い機会となることは間違いないでしょう。

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【管理者】山田暢司
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