らくらく化学実験_油脂 けん化 石けん アルカリ性

オリジナルなオリーブソープ


 油汚れ落としに石ケンを使うが、実は石けんの原料が油そのもの。まさに、油をもって油を制すだが、最近は廃油から石ケンを作るなどのイベントも多く行われているようだ。ここでは、じっくり時間をかけて行う、熟成石ケンにトライする。  → 牛脂の塩析法による石けん作りはこちら
「操作手順」WEB非公開:掲載情報は、指導者向けであり、一般への公開は危険を伴う場合もあるため、ネット上での公開は停止しています。詳細データは、各研修会や発表会にて配布しています。

      

       

市販のオリーブオイルを半量も使う。大鍋で温められるようにしておく。

水酸化ナトリウム水溶液が40℃くらいになって加えれば、温度を保ちやすい。

強アルカリなので保管場所は慎重に!必ず注意書きを貼る。

画像は薄切りだが、思い切って厚めにカットした方が使いやすい。

風乾、熟成には1−2ヶ月かかる。通気性の良い場所を選ぶこと。

泡立ちは悪いが、なんとも言えないしっとり感と芳香がある。


「注意と工夫」
  1. 強アルカリを使うので、水への溶解操作と、保管場所を慎重に選ぶこと。
  2. 牛乳パックから出してカットする際には、安全のためゴム手袋をはめること。
  3. ハーブ乾燥葉がなければ、エッセンシャルオイルを使うと簡単である。
  4. 試しに市販の石けんを片手に、泡立ちの感じや洗浄後のしっとり感を比較してみると良い。

「解 説」
油脂の鹸化・・・その昔、古代ローマ時代のサポー(Sapo)の丘の神殿では、いけにえの羊を焼いて神に供えるという神事が行われていた。焼けて滴り落ちる羊の脂が木の灰(アルカリ分)にまじり、石けんのようなものが偶然にできたそうだ。それが浸み込んだ土は、汚れを落とす不思議な土として大切にされ、soapの丘が石けんの語源となったといわれている。
 さて、セッケンは、油脂がアルカリ成分(ここでは水酸化ナトリウム)によって鹸化され、脂肪酸ナトリウムを生じることで得られるものだ。。この反応を「鹸化」と言い、複生成物にはグリセリンを生じる。基本的には次のような反応式で表される。

 R−COO−CH
       
 R−COO−CH  +OH
         |

 R−COO−CH
  油脂(分子量大)  水酸化ナトリウム 

                   HO−CH
                         |
     → Ra−cCOO +  HO−CH
                         |
                   HO−CH
      脂肪酸ナトリウム×3分子  グリセリン


 特に鹸化の度合いは、油脂1gを鹸化するのに必要な水酸化カリウム(分子量56)のミリグラム数で表すことができる。この実験の原料のオリーブオイルの場合は、鹸化価は185-197とされるので、オイル1g(1000mg)あたり、水酸化ナトリウムは、鹸化価に40/56をかけた量で済む計算になる。(ちなみに、原料のオリーブオイル成分は、一般に一価不飽和脂肪酸であるオレイン酸が75%、リノール酸やリノレン酸等の多価不飽和脂肪酸が10%程度、残りは飽和脂肪酸という構成になっている)
 ところが、実際に実験で使用した水酸化ナトリウムの量は、オイルの量に比べてかなり少なくなっている。これは、授業の中であわただしく行う実験と違い、時間をかけて熟成させる手法を取っていることと関係がある。少なめのアルカリを用いる(ディスカウントというらしい)ことで、原料の油脂を残存させ、オリーブの風合いを残すことができるのだ。市販の一般的なセッケンでは、使用後に肌がカサカサになったり、皮膚にしわが寄る、突っ張る感じが残ることがあるが、熟成させたオリーブ石けんを使ってみると、その違いに驚かされる。まるでメーカの宣伝文句のようですが、泡を洗い流した後のしっとり感は何とも言えない。油分を洗い流すだけでなく、不足した油分を補う効果があるわけだ。
 原料の油脂の種類を変えたり、加える香料を工夫すれば、いろいろヴァリエーションが楽しめる。時間のかかる手法だが、ぜひクラブ活動等で、実践したいテーマではある

関連実験ページ:銅線アメンボどうして浮くの
関連実験ページ:逆さまコップ、まさか?  


「参 考」石けんのレシピ絵本(前田京子 主婦と生活社)
トップページへ戻る→
編集:山田暢司