らくらく化学実験
    しおらしい葉脈のしおり

「実験概要」
葉質を水酸化ナトリウムで溶かし、葉脈を取り出す。
「学習項目」

@  水酸化ナトリウム A加水分解 B葉脈


「画 像」


「動 画」


準備物」WEB非公開

「操作手順」WEB非公開

「注意事項」

1.  水酸化ナトリウム水溶液の扱いに注意し、沸騰させないこと。

2.  木の葉を煮込む時間は、種類により調整する。

3.  歯ブラシでたたく際、破れやすいので強くたたきすぎないこと。


解 説」

1.  アルカリで植物組織を溶かす

水酸化ナトリウム水溶液は強い塩基性(@アルカリ)を示し、植物組織の一部を軟らかくしたり、溶かしたりする働きがある。ミカンの皮剥きや野菜のあく抜きなどに、炭酸水素ナトリウムなどのアルカリを使用する場合の原理と基本的には同じである。木の葉の大部分である葉肉を構成する成分のうち、細胞膜部分のタンパク質(A)とリン脂質は加水分解されて溶け出し、細胞どうしをつなげて安定させるペクチン質も分子内のカルボキシル基との酸塩基反応により水に溶解しやすくなる。一方、葉脈(筋の部分)は、アルカリに溶けないセルロースやリグニン(B)が堅固に結びついた安定した構造を保っている(木化)ので、葉肉が溶け去った後に、骨組みのような筋だけが残るのである。

@  水酸化ナトリウム:水に溶解して、強い塩基性を示す。ファイル:Lignin structure.svg

NaOH  → Na+ + OH- 

A  タンパク質の加水分解:生成したアミノ酸(H2N--COOH)は、アルカリ塩として水に溶解する。

[ HN--CO] n + NaOH → n(H2N--COO-Na+)

B  リグニンの構造の一部(右画像):強固で複雑な三次元網目構造を持つ。

 

2.  自然の造形美「葉脈」

材料のヒイラギモクセイの葉は、特にしっかりとした葉脈を持ち、その構造を観察するのに適した教材である。葉脈は、細胞に必要な水や養分を供給したり、生産された光合成産物を送り出す役割を持ち、動物でいえば、血管に似た機能を持っている。また、葉を水平に広げて支える強固な構造は、光合成の効率を高めるのに都合が良い。葉脈は、茎とつながる葉柄の部分から始まり、葉の端に向かって細かく枝分かれして網状となる。ルーペで観察すると、全体の構造と個々の小さな部分が自己相似形を繰り返す、いわゆるフラクタル構造をしていることがわかる。生物が生命活動をする上で、有効な構造をとっている結果なのだろうが、自然の造形美を楽しむことができる教材である。学校や科学イベントで、生葉から葉脈をつくり、透明シートに封入するという「葉っぱのしおり工作」として紹介されることが多く、低年齢層向けの実験として大変人気がある。しかし、水酸化ナトリウムは劇薬であり、加熱して使用するので、その扱いには十分に注意する必要がある。


【管理者】山田暢司
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