らくらく化学実験_酸素 燃焼 反応速度 酵素

炎の復活

身近な気体としてすぐ思いつきそうな物質「酸素」を使った簡単実験です。根菜類に含まれる酵素の力を利用して酸素を集め、ちょっとした火遊びをしてみましょう。生命維持に必要な気体でもある酸素ですが、濃度を高くしてやるとものが燃えやすくなり、消えかかった炎が元気に復活する様子を観察します。


「画 像」
まるで線香花火のよう


「動 画」
過酸化水素から酸素を発生させ、充満してきたところにスチールウール




「手 順」

WEB非公開

「注意と工夫」

  1. 火のついた線香はポンと音をたてて、炎を出して燃え始めるはずです。せっかく集めた酸素の消費を最小限にくい止めるため、炎が確認できたらすぐにビンの外に出します。
  2. 漂白剤としては、酸素系漂白剤を使用します。家庭用の漂白剤としては塩素系のものも多くありますので、よく確認してから使うようにしてください。
  3. 根菜類として、ジャガイモの代わりにダイコンなども利用することができます。いろいろ試してみるといいでしょう。
  4. 線香の代わりに割りばしの先にスチールウールを付けたものを使うと、線香花火のようにぱちぱち火花を出して激しく燃え始めます。その際、燃えかすとして熱い鉄の玉ができるので、冷えるまでビンから出さないよう注意します。


「解 説」
酸化
 
小学校の理科授業では、空気中には酸素(約20%)が含まれていて、物が燃えたり金属がさびたりする時に、酸素が関わっているというようなことを学びます。中学校になると空気中の酸素と化合するとなり、さらに高校になると電子が酸素によって奪われ、酸化数が増えることだとか少しずつ表現のレベルが上がってきます。ここでは、反応速度の概念が加わりますが、たくさん酸素のあることころでは、それだけ反応が進みやすくなるのだということが実感できれば良いのではないかと思います。

反応速度を決める条件
 
一般に、温度を高くしてやると化学変化は進みやすくなります。これは、化学反応の速度を決める条件のうちのひとつに「温度」があり、反応物の温度が高くなるほど反応速度が増すという考え方によるものです。反応物の濃度と燃え方にも同様な考え方が当てはまり、この実験では、酸素の濃度を高めて燃焼のスピードアップを目論んだことになります。また、線香の代わりに表面積の大きいスチールウールを用いると激しく燃える様子が観察できますが、この場合も単位体積あたりの反応量が増えるわけですから、濃度を高くしたのと同じような意味になります。

野菜の酵素パワー
 化学の教科書には、過酸化水素に二酸化マンガンを触媒として加え、酸素を得る方法がよく紹介されています。生物分野では、生体内のカタラーゼにより、過酸化水素の分解反応を行う、生レバーを使った実験がよりポピュラーなようです。この酵素「カタラーゼ」は、我々の血液中にも存在しており、有害な過酸化物を分解して無毒化する役割を果たしています。傷口の消毒にオキシドール(商品名)を使うことがありますが、発生する泡の力で殺菌すると同時に、有害な過酸化物を分解して無毒化しているという捉え方もできるようです。過酸化物として、酸素系漂白剤を用いましたが、熱でも分解しますので根菜類のすりおろしを使わなくても、熱いお湯をかけるなどすれば実験そのものは可能です。でも、植物の酵素パワーを目にする機会はなかなかありませんから、ぜひ根菜すりおろしでを試してみたいものです。

「確認演習」

  1. 漂白剤といわれるものについて、酸素系と塩素系のラベルを調べ、主成分を化学式で書き出しなさい。
  2. 過炭酸ナトリウムが分解し、酸素を生じる反応を化学反応式で示しなさい。また、この物質、2.0gの60%が分解したとすると、標準状態で何mlの酸素が生じるか、計算しなさい
  3. 「酸化」という現象を、3通りの表現で示しなさい。
  4. 反応速度を支配する条件を3つ述べなさい。
  5. 体液に含まれる、カタラーゼの働きについて、まとめなさい。

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編集:山田暢司