逆さまコップ、まさか?  表面張力 界面活性剤 大気圧

 
 水が一杯のコップに茶こし網をかぶせてさかさまに!あたり一面水びだし・・・と、思いきや、あれれ?水はこぼれません!ただの水道水なのに実に不思議マジカルな、その性質を見てみましょう!
「手 順」
  1. 水が一杯のコップに茶こし網をかぶせてさかさまにする。
  2. 手に洗剤をすこしつけて、さかさまにした茶こし網の面を少しこする。

使い古しの茶こしがいい

少し水がこぼれるが、なんとか成功!

「注意と工夫」
  1. 茶こし網は新品のものより、少し使用歴のあるものの方がやり易い。(網の目に茶殻のカスがついて網目が細かくなっている)
  2. やり直しする際には、洗剤をよく洗い落とすこと。

カップにグルーガンで金網を付けたものでトライしてみた。 

水にポスターカラー等で着色しておくとマジカルな演示効果が出る。

動 画:水が落ちてこない、と思いきやカップを傾けると・・・(演示:小倉毅教諭)
表面張力による浮力・・・水はお互い引き合ってまとまろうとする性質があり、最もエネルギー的に安定した球体を保とうとする。露や雨、しずくも霧も、コップ一杯に水を注いだ時のコップの縁の水の場合も、空気との境界面に水が引き合ってはお互いが離れないようにする力、表面張力が働いている。水は、まわりの水分子に取り囲まれて安定を保っているが、境界面にある水は、空気側が不安定なので、内側に入り込んで(表面積を小さく保とうと)安定を図ろうとするのだ。
 コップと茶こしの実験では、水が網の目を通ろうとする際に網が接触している水の表面張力により、境界面は曲面をつくってこぼれ落ちようとする力に対抗しようとする。また、水には大気圧がかかっているので、これがさらに水の重み逆らう力に加わることで、つり合いを保つことになる。網の目が細かいほど、表面張力を生じる部分が広くなるため、その力の影響が大きくなるのである。
 コップの水を紙一枚で落ちないように保つ実験があるが、大気圧の大きさの説明に重点が置かれる傾向が強いようだ。しかし、本実験の茶こしの網の目の細かさや、界面活性剤の影響からわかるように、表面張力が寄与している割合はかなり大きいのではないかと思われる。

界面活性剤が表面張力を弱める
・・・強力な表面張力だが、界面活性剤を加えると、水の界面に洗剤分子が並び、水が引き合う力が弱まる。親和しない部分(疎水基)を分子内に持つ洗剤が入り込むことで、水の結束の鎖があちこちで破壊されて緊張の糸が切れた状態となるからである。

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「確認演習」
  1. 身の回りで表面張力が働いている例をいくつかあげなさい。
  2. 新しい物よりもふるい茶こしの方が、実験がうまくいく理由を答えなさい。

「参 考」 科学手品ファンクラブ(外西俊一郎 成美堂出版)
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編集:山田暢司