らくらく化学実験_ペクチン セルロース

変わった皮むき

「実験テーマ」
ミカンの薄皮をむく

「実験概要」
ミカンの房を塩酸にさらして組織を柔らかくしておき、さらに水酸化ナトリウムにより、組織をつなぎとめているペクチンを溶解させる。ミカンの薄皮は、すっかり溶け去り、缶詰で見かけるような、皮むきミカンとなる。

「学習項目」
 @ペクチン A酸と塩基 Bモル濃度
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「画 像」
左:房をばらした状態で加熱する。
右:流水にさらして、アルカリを抜き去るとできあがり。薄皮がみごとに剥ける。
 

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「準備物」 500mLビーカー ガラス棒 温度計 0.3mol/L塩酸300mL 水酸化ナトリウム6g 小さめのミカン2個まで フェノールフタレイン指示薬

「操作手順」
 
 WEB非公開

「注意事項」

1.  ミカンの房を崩さないようにゆっくりかき混ぜること。

2.  使用した酸や塩基は必ずしも食品製造のためのものではないので、出来あがった皮なしみかんを食することは好ましくない。

3.  水酸化ナトリウムの付着した薬包紙は即破棄し、使用したガラス棒もすぐに洗うこと。

「解 説」

1.  酸塩基反応で皮を剥く

植物組織全般には、粘性の高いペクチンという物質が含まれており、特に果実部に多く存在し、果実組織を結合させて形を保つ役割を果たしている。ペクチンは、食品添加物(増粘多糖類)としても知られる物質であるが、分子内に多くのカルボキシル基を持つ有機酸(一部メチルエステル化)であるため、アルカリと中和反応や加水分解を起こして水溶液に溶解しやすくなる。ペクチンは、分子量の大きな高分子化合物であるが、分子の大部分を□で表現して簡略化すると、中和反応は次のように表すことができる。

 □-COOH + NaOH →  □-COONa  + H2O

生成する -COONa の部分は、カルボキシル基とアルカリのつくる塩(えん)であり、イオン性のため水によく溶ける。

 □-COONa  →  □-COO- + Na+ 

従って、ペクチンは、分子内のカルボキシル基がイオン化されることで、水にさらされて浸出してしまうのである。ミカンの場合、房の皮と内部のさのう(果汁を含む小さな粒)の結合がもともと弱く、この間の結合をとりもっているペクチンを取り除くことで、簡単に皮がむけるのである。塩酸を先に使用する理由は、セルロースを主成分とする細胞組織を軟らかくしておくためであり、工業的にもこの方法が採られているようである。

2.  ペクチン

官能基の数や分子量により複数の種類が存在する。ガラツクロン酸がα-1,4-結合により重合したポリガラツクロン酸(重合のイメージ)がよく知られる。


【1,4-結合により重合したポリガラツクロン酸の結合のイメージ)】

 

 

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編集:山田暢司