<実験プリントファイル>   酸化還元 合金 メッキ 金属光沢

           目立つメダル
「実験テーマ」
メダル色(金・銀・銅)のメッキをする

「実験概要」
いったん溶け出した亜鉛が銅板上で半電池反応により還元されてメッキ層をつくる。さらに、亜鉛メッキした銅板をそのまま火であぶることで、表面に合金の黄銅ができる。

「学習項目」
@  酸化還元反応 A錯イオン B金属光沢 C合金
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「画 像」
左:上からは覗いてはいけない
上:蒸発皿だとかなりアルカリ成分が飛散していることがわかる。近くに、pH紙を置いてみた。
 


左:金網上でゆっくり加熱してもよい
右:黄金色に変色する

 


金銀銅のまさしくメダルカラー
  

「動 画」
亜鉛メッキ後、軽く火にかざすと見る見る黄金色に変化!かなり熱いのですぐに触らないこと!


「画 像」
左:かなりの量の亜鉛粉末が出ることも少なくない。
右:そのままゴミ箱に捨ててはいけない!ぬれていても、燃え上がることがある。




左:残った亜鉛を集めてみた。すぐ、温度が上昇しはじめる。
右:ぬれていてもほぼ確実に発火する。
 


「動 画」
残存物の亜鉛粉末を紙にくるむと10分程度で着火する。アルカリとの反応で表面の酸化物が溶け去って、反応性が高くなるものと考えられる。この動画では、紙がぬれているにもかかわらず、着火することがわかる。ゴミ箱に捨てると短時間に燃え上がることもあり、極めて危険。金属製の器に入れて完全に酸化させるなどして処理すること。

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「準備物」

100mL〕用ビーカー 亜鉛粉末2g〕 6[mol/L] 水酸化ナトリウム水溶液30mL〕 三脚 金網 銅片3枚 ピンセット バーナー ペーパータオル

「操作手順」WEB非公開


「注意事項」

1.  作業中に水酸化ナトリウムがはねることがある。防護メガネ必須で、決して裸眼では作業しないこと。

2.  火であぶる際は、焼きすぎないようにする。

3.  加熱直後の金属片はかなり熱いので火傷に注意する。

4.  残った亜鉛粉末を紙ゴミと一緒に捨てると、発火しやすく、大変危険である。水の入ったビンに貯めておき、まとまった量になってから処分する。


解 説」

1.一度溶けた亜鉛が還元されて析出する

 両性元素である亜鉛は、塩基である水酸化ナトリウムと反応して酸化され、テトラヒドロキソ亜鉛(U)酸イオン [Zn(OH)4]2- を形成する(@)。同時に、水が還元(A)されて水素が発生してくるが、この反応は、強塩基性下であり、水素過電圧が大きいことによりかなり抑えられる。しかし、銅の投入により、未反応の亜鉛と接触することで局部電池が構成される。銅板側に電子が供給されるので、水溶液中に存在するテトラヒドロキソ亜鉛(U)酸イオン[Zn(OH)4]2-は還元され、そのまま銅板上に亜鉛メッキ層ができる(@の逆反応)。亜鉛と銅のイオン化傾向を比較して、亜鉛が析出することを不思議がる向きがあるが、銅は単に電子の受け渡しの役割を果たすのみである。

@  Zn + 4OH- → [Zn(OH)4]2- + 2e-
A
 2H2O + 2e-  → H2 + 2OH-

2.  まるで錬金術のよう

銅の表面に析出した亜鉛は銀色に輝き美しい金属光沢を放つ。亜鉛の融点は約420℃で、銅は1083℃と高いのだが、亜鉛のメッキができたところを加熱すると、溶けた亜鉛に固体の銅板の表面の一部が溶け込んで合金ができると考えられている。亜鉛と銅が溶融して合金を作る。この合金は、黄銅または真鍮(しんちゅう)として古くから知られ、黄金色をしているので、様々な装飾品に用いられてきた。黄銅は、英語でbrassと呼ばれるが、吹奏楽がブラスバンドと呼ばれるのは、使用される金管楽器の素材に由来するものである。また、特に金色の光沢を放つので、この実験自体がまるで錬金術のような趣があって評判も良い。


「参 考」

日本化学会訳編「実験による化学への招待」 丸善(1987)
林英子・稲葉秀明「銅が銀、金になる?真鍮の生成反応の機構解明と化学実験教材への工夫」千葉大学教育学部研究紀要 第50巻 V:自然科学編

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「編集」山田暢司