<らくらく化学実験>

  ルミノールで見るのー

「実験テーマ」
化学発光を観察する

「学習項目」
@光エネルギー Aルミノール B触媒 C化学発光


「画 像」
乾燥ウミホタル:ウミホタルをつぶしてみた。数粒でもこの通り。下に置いたノートの文字が読めそうだ。:すこし明るいところでも発光している様子:レバー肉に含まれる鉄イオンが反応に関与する。



「画 像」
布があやしく光り出す:カブの輪切り:外側がよく光る。外部からの過酸化物侵入を防ぐ働きがあるのだろうか



「画 像」
カイワレも光る:根の部分がよく光るが先端部分がより光っている:発光する生物:『ヤコウタケ』 提供:キノコ研究会 市野 亨 氏八丈ビジターセンター



「動 画」
レバー肉の鉄分が触媒になる


「動 画」
乾燥ウミボタルをシャーレ上ですりつぶした際の発光



その2
「準 備」

「操作手順」

 WEB非公開

「解 説」

1.  化学発光

光は、物が燃焼したり、電気による照明などで観察されるものとばかり思いがちだが、化学変化に伴い、発生するエネルギーが光に変換されることがある。化学物質の変化による発光なので「化学発光」であるが、反応の前後でほとんど熱の出入りを伴わないから、冷光と呼ばれることもある。体内で化学変化を起こして発光する生物が存在し、陸上の昆虫のホタルがよく知られるところである。ホタルの種類によって、発光のリズムが違うとか、生物が器用に化学変化をコントロールしているというのは興味深く、自然の神秘を感じさせる現象である。ホタルの他に、実験素材のウミホタルなどの海生生物、特にチョウチンアンコウのように、深海で活動する生物に発光するものが多く、器用()に発光を利用する生態には驚愕するとしか言いようがない。ちなみに、昆虫のホタルであるが、幼虫期に川底を這っている時にも光るらしい。

2.  生物の発光メカニズム

化学発光は、化学反応によって物質が励起状態になり、それが安定した状態に移行する時に余分のエネルギーが光に変換される現象である。実験のウミホタルであるが、体内に存在するルシフェリンという物質が、酵素(ルシフェラーゼ)ATP等と反応し、エネルギーの高い励起状態のオキシルシフェリンが生成する。このオキシルシフェリンが分解して一気に基底状態に戻るときに余剰のエネルギーが光となって放出されるとされる。この生物の体内で関与した物質が効率的にリサイクルされることも知られている。

3.  ルミノール反応

実験で使用したルミノールという物質は、生物体内のルシフェリンと似たような構造を持ち、過酸化水素により酸化されて、やはり励起状態の物質を生成する。この反応には、鉄イオンが触媒として関与しているので、実験では、鉄分を含むレバー肉を使用してみた。逆に言えば、鉄分を含むものと反応して発光するので、鉄イオンの検出に利用することもできるのである。警察の科学捜査における、血痕の鑑識に用いられる試験がよく知られ、鋭敏な化学反応ではあるが、事件現場に残された血痕が人間のものであるかの判定能力は低いとされる。ちなみに、新鮮な血液より、酸化して古くなったもの方強く発光するので、実験では、ガーゼに付着させて加熱乾燥させる。

「参 考」
 後藤俊夫『生物発光』共立出版

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編集:山田暢司