<リビングケミストリー>

「実験テーマ」濃度が違うと混ざりにくい溶液

「サブテーマ」濃、度うなってるの?

「実験目的」濃度や温度の違う溶液が混ざり­にくいという事実を確認する。より

「学習項目」

   溶液と濃度  ②電解質とイオン  ③粒子の熱運動  ⑤拡散

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「画 像」
滴下すると一瞬まざりそうな感じになるが、すぐに境界が見えてくる。

 

絵の具で色分け:5%ごとに濃度を変えたものを次々加えていってもなかなか混じり合わない。


「動 画」
少し振り混ぜてもなかなか混ざらない。境界線があるように見える。

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「準備物」

100mL〕ビーカー 食紅 100mL〕三角フラスコ 25%食塩水50mL〕 駒込ピペット

「操作手順」
WEB非公開

「注意事項」

1.  水は1滴ずつ、滴下していく。様子をデジカメで撮影すると良い。

2.  加熱はゆっくり行うこと。

「解 説」

1.  溶けるようで溶けない

海流の暖流や寒流がぶつかるところを上方から観察すると、それぞれの海水は互いに混ざりにくく、境目がはっきり見えるという。また、アイスコーヒーを飲まずに放っておくと、氷が溶けてできた水は、上部にたまっているだけでなかなか混ざらない。これらは、濃度の違う溶液は混ざり­にくいという事実を表している。しかし、溶液の温度が高まると、次第に混ざってしまう。当たり前の現象のようだが、濃度と温度と溶け易さの関係は、科学の根本原理に関わるもので、重要な意味を持っている。

さて、食紅溶液を水に滴下すると次第に色素が広がっていき、最終的には均一な色水となる。この現象を『拡散』というが、色素成分は滴下時点での濃度を減少させ、濃度を均一化させる方向に広がっていくのみで、元に戻ることはない。これは、水に溶けた物質(粒子)が自由に動き回って、溶液の隅々にまで行き渡ろうとするからである。温度に応じた粒子の動きを熱運動というが、溶液の温度が高いと拡散の速度が大きくなるのは、激しい熱運動をする粒子の割合が増加することによるものだ。一般的に、温める方が、物が溶けやすくなるということは体験的に理解しやすい現象である。

2.  溶解には溶質と溶媒の複雑な相互作用が存在する

食塩の溶けている水に、別の水に調整した色素を混ぜようとすると、拡散の速度がかなり低下する。これは、塩化ナトリウムなどのイオン性の結晶が水に溶けて安定した水和イオンを形成しているためである。例えば、正電荷を持つナトリウムイオンの場合であれば、極性分子である水分子の負に分極した部分(酸素原子側)を引きつけるため、一定量の水分子が束縛される。結果として、色素の拡散に利用できる水量が相対的に減少するため、その速度が低下するのである。また、アイスコーヒーの上の氷が解けてできた水の例であるが、拡散の意味からは、コーヒー成分と混じり合いそうなものだが、糖分が溶け込んでいる溶液には色素はもちろん、氷が解けて生成した水さえも混ざりにくい傾向がある。これらは、すでに成分の溶け込んでいる溶液に対しては、拡散の効果が低下することを示している。もっとも、冷水では熱運動が比較的不活発であるということも理由の一つなので、加熱すれば、熱運動による拡散と、密度変化による対流が起こり、次第に均一な溶液に近づいていくことには変わりない。

このように、水に溶けて混じるという現象には、溶ける物質がイオン性ならその価数、分子性なら極性の度合い、溶媒の粘性などの相互作用、そこに熱運動による拡散というように様々な要因がからんでいる。単純に考えがちな現象だが、複雑な要素をたくさん含んでいるということがわかる。 

 

「確認演習」

1.  食紅を水に加えると次第に食紅の色が広がっていく。この現象について解説しなさい。

2.  食塩の成分は、水に溶解してどのような状態になっていると考えられるか、図説しなさい。

3.  アイスコーヒーの氷が解けてできた水は、なかなか混ざらないで、そのままカップの上部にたまった状態になる。その理由を考えなさい。

4.  加熱すると溶液が均一化していく。その理由を答えなさい。

 

 ( )( )( )番 氏名(         )

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編集:山田暢司