<リビングケミストリー>


「実験テーマ」キャベツ色素でカラフル麺

「サブテーマ」ミラクルカラフル麺!
「実験目的」市販の麺類にムラサキキャベツ色素を付けると、麺が緑色になる。麺類に含まれる塩基性の物質(かんすい)の存在を意識させる。
「学習項目」
 酸と塩基の定義:酸・塩基とはどういうものか、その性質や働き。
 酸性度の変化と指示薬:中和による酸性度の変化。化合物の中には酸や塩基によって変化し、指示薬の役割を果たすものがある。
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動 画:


1.キャベツ1/4個もあれば十分な色素液が得られる。

3.麺に含まれる炭酸塩が色素を緑色に!食物としてはなじみがない色なので驚きがある。

4.ついでに食酢を加えたサンプルも。バックを白くすると色が映える。

まさに、カラフル麺!もちろんキャベツ入り。これだけで十分にカラフルである。

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「準備物」ムラサキキャベツ ペーパータオル 食酢 市販の麺(ゆでる)など
「手順と観察」

  WEB非公開

「解 説」

1.  麺に含まれる「かんすい」

市販の麺には「かんすい」という成分が含まれている。一般的には海水に含まれる塩分を指すが、製麺に限っては、主に炭酸ナトリウムのことである。かんすいを小麦粉に加えると蛋白質(グルテン)の収斂が起こり、弾力や展延性が増すとされる。食味としてはコシや滑らかさと呼ばれる要素である。炭酸ナトリウムが混ぜ込んであるので麺は塩基性となり、紫キャベツ色素に浸すと緑色を呈するのである。また、中華麺は淡黄色のものが多いが、これは小麦粉中に微量含まれるフラボノイド系色素がかんすいにより発色しているからである。

2.  植物色素と色の変化

植物を鮮やかに彩る色素は、主にフラボノイド、ベタレイン、カロチノイド、クロロフィルの4種類に大別される。この中で、紫キャベツの表面に付着している主色素は、フラボノイドの一種であるアントシアニン系色素のシアニジンアシルグリコシドである。アグリコンとして糖や糖鎖と結びついた配糖体成分で、植物界において広く存在し、抗酸化物質としても知られる。この種の色素は、水溶液の酸性度によって分子構造が変わり、光の吸収波長が推移することで色調が変化するものが多い。紫キャベツ色素の酸性水溶液を塩基で滴定していくと、酸性で赤色、酸が弱まるに従って赤紫~青~緑へと変化し、pH12では黄色になる。色にバラエティーがあり、pHをていねいに調整すれば、きれいなカラー列を作ることもでき、様々な水溶液の大まかなpHを判定も可能である。実験としてはシンプルであるが、大変に興味深い。

3.  アントシアニンのpHによる変化

アントシアニンのpHによる色の変化は次のように説明されている。

  酸性:環に含まれる酸素がプラスになったアントシアニジン構造をとり、青や緑などの短波長を吸収して長波長側の赤い光を反射する。

  中性:H+が減ると、ベンゼン環についた-OHHが使われて、=Oへの変化する。いわゆる、キノン構造をとることで、より波長の長い緑の光を吸収するようになるので、紫色(マゼンダ)に見えるようになる。

  塩基性:アルカリ性になると、その他の-OHからもH+が奪われ、-O-になり、さらに長波長の光を吸収するようになって、青系の色が反射して見えるようになる。


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編集:山田暢司