らくらく化学実験:

凍りゃ、大変だ!

「実験テーマ」反応熱で凍らせる!硝酸アンモニウムの水への溶解熱(吸熱)で氷ができる。

「実験概要」
化学反応では、発熱が一般的だが、熱を吸収する反応もある。硝酸アンモニウムを水に溶解すると、大きな熱エネルギーの吸収がある。これを利用して、水を凍らせてみる。

「学習項目」
@熱化学方程式 A 吸熱反応
「画 像」
溶解直後、わずか5秒で−8まで低下した。水滴が凍って、ビーカーの周りがガリガリに固まってしまう。

動画:一気に温度が低下して氷ができる。

「準備物」

100mL〕ビーカー 冷水50mL〕 発泡スチロールカップ 温度計 硝酸アンモニウム16g

 

「操作手順」

WEB非公開

「注意事項」

1.  冷水は、あらかじめペットボトルに少量の水を氷らせておいたものに、水を加えて使用すると良い。

2.  発泡スチロールカップの上は少し水でぬらしておくと氷ができやすい。

「解 説」

1.  化学変化に伴うエネルギーの出入り

木や石油などの燃料を酸化・燃焼させるときのように、一般的に化学変化に伴う熱の出入りというと発熱反応を指すことが多い。自然界における化学変化が、熱を放出して、より安定な状態に落ち着く方向にいくことが多いからである。しかし、物質間の限定的な化学変化においては、逆にエネルギーを周囲から得ようとする吸熱反応と呼ばれるものがある。実験では、イオン結晶である硝酸アンモニウムを水に溶解させることで、溶液の温度が低下することが確認できる。硝酸アンモニウムが水に溶解する際のイオン反応式は次の通りである。

NH4NO3 → NH4+ +  NO3- ・・・イオン反応式

水に溶解して、イオンを形成した成分は、水分子と水和状態にあり、電気的に安定するのである。この溶解に伴って起こる熱の出入りを、熱化学方程式で表すことができる。ただし、硝酸アンモニウムは、大量の水に溶解するので、その水をaqと表記し、単に溶解物の化学式の後にaqを付けることになっている。次の熱化学方程式は、1〔mol〕の固体が、大量の水に溶解する際に、25.7kJ〕の熱エネルギーを吸収することを示している。

NH4NO3() + aq = NH4NO3aq − 25.7kJ ・・・熱化学方程式

2.  保冷剤に利用

溶解時に吸熱反応を示すものとしては、尿素、塩化アンモニウム、硝酸バリウム等がある。特に、水酸化バリウム8水和物と硝酸アンモニウムの混合物が強烈である。水酸化バリウムから解離した水分子に、それぞれの成分が溶け込んで、熱エネルギーの吸収が起こるというものである。ただし、この反応では、アンモニアが発生するので、取り扱いに注意を要する。

保冷剤の一部には、これら水に溶解する際の吸熱反応が利用されている。特に、混ぜ合わせると急冷する瞬間冷却パックがよく知られ、携帯できるので便利であるし、廃棄しても問題が少ない。この他、一般の生活では、重曹に酸を加えて二酸化炭素が発生した場合や、単に食塩を水に溶かしただけでも溶液の温度が下がってくるのを体感することができる。ちなみに、実験で使用した硝酸アンモニウムは、水への溶解度が190 g(20)であり、別名「硝安」、化成肥料の窒素源や火薬・爆薬・医薬品の原料としても重要な物質である。

「参考・引用」

レナード・A・フォード『化学マジック−化学を使う奇術百科』白揚社

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編集:山田暢司