らくらく化学実験/Fun Chemistry Experiment

むかし懐かしカルメ焼き

「実験概要」
 砂糖を火であぶり、何やら秘密の種を落とすとあわが立ち始め、あまーい香りがしたかと思うとふわっとしたお菓子が焼き上がる……。かつてはどのお祭りでも見られた光景でしたが、他の魅力的な甘味料のパワーに押されてか、ここ最近さっぱり見かけなくなってしまいました。しかし、口にできるお菓子の限られれていた世代の方々にとって忘れられないのがこのかるめ焼き。むかしなつかしレトロな砂糖菓子の味を楽しむことにいたしましょう。

「学習項目」
炭酸水素ナトリウム 熱分解 二酸化炭素 物質量 化学反応式







「注意と工夫」

  1. 110℃を過ぎるあたりから粘性が高くなり、かき混ぜる手応えがでてきたら、火を弱める。125℃を超えたあたりから慎重に。
  2. 卵白+重曹+砂糖を練って作った「種」を入れる方法もある。重曹を同量の卵白で練っておくと、泡立ちが良くなる。
  3. 失敗してやり直すときは、おたまについた焦げをしっかり取り除くこと。

「解 説」
発生するのは二酸化炭素
 
一般に重曹と呼ばれるものは炭酸水素ナトリウムのことで、容易に熱分解して二酸化炭素(と水)を発生します。同様なふかふか食品であるパンなどは、酵母菌の発酵による二酸化炭素を利用していますが、こちらは直接的に熱分解を起こさせる化学調理法(?)というところ。加熱すればぶくぶくと泡が出てくるので、手軽なふかふかお菓子作りに重曹は欠かせない材料なのです。
 砂糖(水)は加熱されるとどろどろになり、粘性が大きくなっていきます。そこで冷却されると、細かい砂糖の結晶化が起こります。この際、炭酸水素ナトリウムが分解してて二酸化炭素が発生し、中に空間を持つ構造ができあがるわけです。温度が低いと、どろどろの状態のままで固まらないし、高すぎると今度は結晶化せずにガラス状(べっこう飴はこれ)に固まってしまいます。上手なカルメ焼き作りのコツは、やはり温度が決め手のようです。
なつかしい味?
 
ある年輩の方にかるめ焼きについての思い出をお聞きしたときの話。あの世代の人たちにとっての甘菓子とは、その甘さへの郷愁以上に、どこか苦々しい味も思い出してしまうものだといいます。あの食糧難の時代の記憶が重なり、とても「むかしなつかし」という表現は、素直に受け入れられないということでした。ともあれ、人造的な味に慣れた飽食の時代の子ども達に、素朴な砂糖菓子の味を楽しんでもらう機会としてみてはどうでしょう。

「確認演習」
  1. 炭酸水素ナトリウムの化学式を示し、その式量を求めなさい。
  2. 炭酸水素ナトリウムが熱分解する際の反応式を示し、各成分の名称も記載しなさい。
  3. 炭酸水素ナトリウム1.0gがすべて分解したと考え、発生する二酸化炭素の体積を求めなさい。ただし、二酸化炭素は理想気体で、温度130℃での体積で求めなさい。
  4. いったん粘性の高い液体になってからふかふかのお菓子ができあがるメカニズムを図説しなさい。
  5. 炭酸水素ナトリウムの熱分解を利用している食品には、他にどのようなものがあるか、いくつか例示しなさい。

【管理者】山田暢司
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