らくらく化学実験_表面張力 界面活性

寄ってらっしゃい1円さん

「実験テーマ」
一円玉を水に浮かべる
水よりも密度の大きい金属でも、表面張力を受けることで水に浮かぶ。
「学習項目」
@  金属の密度 A水の極性 B表面張力 C界面活性剤
「概 要」
水より密度の大きい1円硬貨(アルミニウム)が水面に浮かぶことを確認し、表面張力の存在を意識させる。硬貨がお互いに引き合って、小さくまとまることや界面活性剤により表面張力が失われることも観察する

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「画 像」
密度が大きくても、表面張力の影響が上回る。
離れて浮かばせてもお互いが近づいて寄り添う。
7枚一円硬貨が表面張力を小さくするために花状にまとまる
ハスの葉上の露:表面張力により小さくまとまろうとする。
動 画:一円は割と簡単に浮かんでくれる

「準備物」

容器 銅線 一円硬貨数枚 石けん少量 爪楊枝

「操作手順」
WEB非公開

「注意事項」

1.  大きめの器が作業しやすい。

2.  実験を繰り返す場合は、洗剤をよく洗い流しておく。

「解 説」

1.  金属が水に浮かぶのは表面張力によるものである

水の密度は、4℃で最大になり、限りなく1に近づきます。アルミニウムの密度は約2.7g/cm3〕であるので、単に密度の違いのみで、物質の浮き沈みが決まるのではないことがわかる。液体に物体が浮いているということは、物体が沈み込んで排除している液体の体積の分だけ浮力を受けていることになる。水よりもずっと密度の大きいアルミニウムが浮くということは、相当な浮力がかかっている。その浮力を生み出しているのが、水の表面張力である。水は、極性分子であるため、水分子どうしが正負の電荷を中和するように引きつけ合う力(おもに水素結合)が働く。しかし、水の表面に存在する分子は、引きつけられる十分な数の分子に恵まれていないので、より安定を求めて、どの分子もこぞって水の内部に潜り込もうとするのである。結果として、表面の水分子が小さくまとまろうと引き合って、水面にゆがみを形成する。これが、表面張力であり、今にもこぼれそうなコップの端の水の丸みや、露が草葉の上ではじかれて丸くなるのもこの力によるものである。

2.  界面活性剤が表面張力を弱める

一円硬貨7枚を水に浮かべると、それぞれが近づいて小さくまとまろうとする。少し離して浮かべた硬貨も、いずれは引き寄せられ、見事な花模様を構成する。硬貨が寄り添うと、水面の歪みの一部を共有するので、全体としては個々の1円玉にかかる表面張力の和より少なくて済むことになる。水面に浮かぶゴミが集まったり、水面の端に寄ったりする現象も、この理由により説明することができる。これらの現象は、表面張力を少しでも低く抑え、エネルギー的に安定した方向に、一円硬貨がまとまろうとするのだということを示している。そこに、表面の水分子の緊張をゆるめるような物質、例えば石けんのような界面活性剤のような物質が入り込むとどうなるか。長い鎖状の石けん分子は、親水基を水の方に、疎水基を空気の方に向けて表面に並んでしまう。表面で水素結合により引き合っていた水分子が分断されて、緊張が一気に解放される。結果、浮いていた硬貨は安定を失って水中に沈んでしまうのである。昆虫のアメンボは、表面張力を利用して、水面で元気に動き回るが、水たまりに洗剤を滴下されると哀れなことになるだろう。

   
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編集:山田暢司