らくらく化学実験

オランダの涙なんだ  

「実験テーマ」
不思議なガラス「オランダの涙」を作る
ガラスを溶かして急冷すると強化ガラスとなるが、端を折るだけで破裂し粉々になる。
「学習項目」
@  強化ガラス A偏光
不思議なガラス「オランダの涙」を作る。ガラスを溶融させて急冷すると強化ガラスとなるが、端を折ると破裂し粉々になる。

トーチバナーが角度をつけやすい ペンチで軽く切断すると破裂!
まさに涙型のガラス 歪みによる偏光が観察される

動画@:ガラスをバーナーであぶって溶融、水に滴下する。


動画A:ハンマーで叩いても割れない


動画B:ペンチで端っこを折るだけで破裂

「準備物」
軟質ガラス トーチバーナー 300mL〕ビーカー 偏光板2枚 タオル 金床 ハンマーペンチ 厚めの透明ビニール

「準備物」

「操作手順」
WEB非公開

「注意事項」

1.  見学する場合でも防護メガネをすること。

2.  ガラスの破片に注意し、確実に回収すること。

解 説」

1.  強固かつ脆(もろ)いガラスの生成

強熱によりドロドロに融解したガラスを水中に落とすと、表面が急激に冷やされて涙型のガラス片ができる。内部も次第に冷えて収縮しながら固まってくるが、外側がすでに固まっているので、冷えて収縮しようとする力とそれに耐えようとする外側の力の引っ張り合いが起こる。結果として、表面は強化され、内部に向かう強い圧縮の力がかかった状態の大きな歪を残したまま全体が固まることになる。普通のガラスは、表面の引っ張りの力に弱くてすぐにヒビが入るが、この涙型ガラスの表面には強い圧縮力が働いているので、少しくらい引っ張ってもビクともしない。金槌で叩いても簡単には割れないのである。ところが、不思議なことに、涙型の細くなっている端の尻尾部分をペンチで割ると、ガラス全体が爆発して粉々になるという性質がある。尻尾の切断で内部にまで傷が入ることで、強い引っ張り合いの均衡が崩れ、ガラス本体にまでその亀裂の影響が及ぶものと考えられる。この強固かつ脆い性質は、ビルや車で使用されている「強化ガラス」に利用されている。急冷により強固なガラスではあるが、破壊されるときには、鋭利な部分を残さず粉々になるため安全なのである。

 

2.  オランダの涙

「オランダの涙」の名は、17世紀中頃、実験で使われたガラスがオランダ製であったことに由来する。この涙型をしているガラスの内部をよく観察すると、真空の泡が残っていることが多い。これは、ガラス表面が急冷によりロックされた状態で、内部への強引な収縮が起こったことによるものである。二枚に重ねた偏光板を使うと、ガラスがきれいな虹色の光を放つ。ガラスは、相当の歪みが残ったまま固まるので、ガラスを通過する光が、場所によるねじ曲がり具合の違いにより干渉縞を生じるのである。また、できたガラスの端の方の扱いには注意を要する。触っただけ端が折れて、ガラスが飛び散ることがある。より安全で扱いやすいオランダの涙の作り方としては、溶融させたガラスを水ではなく、油に滴下して冷やす方法がある。

「参考・引用」
小倉毅『オランダの涙』全国理科教育大会(2007)
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編集:山田暢司