らくらく化学実験

    緊張する銀鏡反応


「実験テーマ」
銀鏡をつくる

「実験概要」

硝酸銀にアンモニアと水酸化ナトリウムを加えることで銀のアンモニア性錯イオンをつくる。その銀錯イオンは、グルコースによって還元され、ガラス表面には美しい銀の単体が析出してくる。

「学習項目」

@  グルコース A還元性 B銀鏡反応 C錯イオン

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「準備物」

内容積120mL〕のガラス容器 純水110mL〕 グルコース3g〕 硝酸銀1.5g〕 水酸化ナトリウム1g〕 濃アンモニア水3mL〕 駒込ピペット アセトン2mL〕 新聞紙 ラッカスプレー

「操作手順」

  WEB非公開

「注意事項」

1.  硝酸銀に水酸化ナトリウムを加えて生成する物質は、時間が経過すると爆発することがある。試薬を事前に調整してはならない!実験中に調整した物を使い切るか、廃液が生じた場合は、過剰の酸を加えて十分に中和しておくこと。

2.  冬場に実施する場合は、グルコース溶液を少し温めておくと良い。

3.  ラッカスプレーは、屋外で使うことが望ましい。

「解 説」

1.  銀鏡反応

硝酸銀溶液にアンモニア水を加えると一時的に少量の水酸化銀 AgOH の白色沈殿が見られるが、この物質は不安定であり、すぐに酸化銀 Ag2O の暗褐色沈殿を生じる。(@)しかし、過剰のアンモニア水を加えると、銀イオンが錯イオンを形成して水に溶解し、透明な水溶液となる。この錯イオンは、ジアンミン銀(T)イオン [Ag(NH3)2] + であり、配位子のアンモニアを2つにより、直線上の立体構造を持つ。

@  2Ag+ + 2OH- Ag2O + H2O

A  Ag2O + 4NH3 + H2O 2[Ag(NH3) 2] + + 2OH-

この錯イオンは、アルデヒドのような還元性の物質と反応すると、銀イオンが還元されて、単体の銀が析出してくる。この水溶液はトレンス試薬とも呼ばれ、かなり古くから知られる反応であり、工業的にも、メッキの手法として利用されている。ガラス面に銀を還元・析出させたものを反対側から見ればガラス層を持つ鏡となるので、銀鏡反応と呼ばれているのである。

2.  糖の還元性

アルデヒド基を持つ化合物(RCHO)は、ジアンミン銀(I)イオンを還元し、自らは酸化されてカルボン酸(RCOOH)となる。反応式は次の通りである。

RCHO + 2[Ag(NH3) 2] + + 2OH-  → RCOOH + 2Ag + 4NH3 + H2O

実験ではグルコースを用いたが、この糖は水溶液中で、六員環構造と鎖式アルドース型で平衡を保っている。鎖式アルドース型は、アルデヒドを持っているので、還元性を示すが、水溶液中では1%以下しか存在しないので、還元反応がゆっくり進行する。グルコースを用いる銀鏡反応で、比較的失敗が少ない理由の一つでもある。



「確認演習」

1.水酸化ナトリウムを加えたときの反応を化学反応式で表しなさい。

(1) 

(2) 

2.生じた沈殿に濃アンモニア水を加えると透明になった。このことを説明しなさい。

 

3.単体の銀が生じることはどういうことか、ブドウ糖の性質と併せて説明しなさい。

 

4.ブドウ糖(グルコース)のα型とアルデヒド基を持つ構造の平衡状態を表す反応式を構造式で描き表しなさい。また、そのブドウ糖が銀を生じさせる構造はどこなのか示しなさい。

 

     (     )状構造        (     )状構造

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編集:山田暢司