らくらく化学実験

たまげたタマゴ 


 酢水に浸けて一昼夜、たまげたことには殻はすっかり解け去って、裸卵のできあがり。

「実験テーマ」卵の殻を酢で溶かす

「サブテーマ」たまげたタマゴ!

「実験概要」卵を食酢に浸しておくと卵殻の部分がきれいに溶け去って、卵膜だけのつるつるした状態になる。卵殻の成分や反応前後における量的な関係を考える。

「学習項目」

@  炭酸カルシウム A中和反応 B物質量

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「画 像」
卵殻の主成分は炭酸カルシウム。これを食酢に浸けておくと二酸化炭素が発生して、すっかり殻は溶け去ってします。触るとその柔らかさが伝わってくる。


左:指でつまむようにして持ってみた。
右:照明越しで、黄身が透けて見える。


「動 画」
テーブルの上で弾ませてみた。最後にはついに破裂してしまったが・・・。

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「準 備」

 卵 大きめの空きビンまたはビーカー 食酢300mL ラップ デジカメ 約10%食塩水デジタル計量器

「操作手順」
  
  WEB非公開

「注意事項」

1.  市販の卵でも雑菌が付着していることがあるので一応洗浄しておく。

2.  卵殻の質量変化はわずかなので、デジタル計測器の使用が望ましい。

3.  使用した卵は、冷蔵放置であれば中身は腐敗することはないが、食する場合は、焼くかゆでるかするのが安全。

「解 説」

1.  卵殻の主成分は炭酸カルシウム:ニワトリの卵殻は、厚さ約3mmで、主成分の炭酸カルシウムが約95%を占めている。生まれてくるひよこの骨重量の約80%がこの卵殻に由来するという。卵殻は、多孔質で、その気孔の数は卵あたり10000個前後もあり、この気孔で胚呼吸に必要な酸素を摂取し、二酸化炭素を排出するという作業を行っている。新鮮なたまごの表面は粗いが、これはクチクラという薄い膜で、微生物の侵入を防ぐ役目をしている。このように身近な卵であるが、実に精巧な造りをしているものである。殻の主成分の炭酸カルシウムは、塩基性炭酸塩であり、酸と反応して溶解してしまう。酸との反応をイオン式で表すと次のようになる。 

CaCO3 2H Ca2 H2O CO2 

2価の塩基性炭酸塩である炭酸カルシウムを過不足なく中和するための酸は2倍の物質量を必要とする。反応の前後での質量の変化mは、2−mであり、これを発生して外部に逃げ去った二酸化炭素の量であると考えれば、卵殻の質量がどれだけであったかを算出することができる。

2.  食酢で卵殻を溶かす:卵殻は薄いので、食酢に2日間も浸けておくと、殻をすっかり溶け去ることができる。酢酸分子は4つの水素を持つが、反応に関わるのは一つのみなので1価の酸である。水溶液中では、次のように電離するが、電離度α=0.016であり、0.1mol/L〕の場合は1000分子中わずかに16分子しか電離しない弱酸である。

CH3COOH → CH3COO + H

市販の食酢は4%のものが主流なので、反応に必要な食酢の量も前もって予想を立てることもできる。実験で使用する300mLの食酢の4%が酢酸(分子量M=60)とし、密度はほぼ水と同様と考えると、存在する酸の物質量は次の通り。 

   300×0.04/M=0.2mol

0.2mol〕と過不足なく反応する炭酸カルシウム(式量100)0.1mo〕、すなわち10g〕であるから、よほどの大きな卵でもない限り、必要な食酢の量は300mL程度で十分であることがわかる。このように、この実験では、化学変化に伴う物質量の変化を全体としてとらえることもできるのである。

「参考・引用」

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編集:山田暢司