らくらく化学実験_大胆なダイラタンシー」/Fun Chemistry Experiment


     大胆なダイラタンシー

「サブタイトル」

カタクリ粉で流体の挙動を観察する

「実験概要」
カタクリ粉を水でといた物質を粗っぽく手づかみして丸めると固めることができますが、力をゆるめるとたちまちどろっとした液状になってしまいます。通常は液体ですが、急激な力を加えると固体のように振る舞うダイラタンシーという現象を観察してみることにします。


「キーワード」
ダイラタンシー 流体 表面張力


「画 像」
固めると確かに固いが力をゆるめるとどろどろに  フライパンに入れて傾けるだけで怪しげな波が出現する

 


「動 画」
知る人ぞ知る、カタクリ粉の妖怪ダンス!



カタクリ粉団子の様子



フライパンの上での挙動



「よく観察してみよう!」
 カタクリ粉に水を含ませますとどろーっとして底にへばりついてしまいます。それをスプーンですくって手のひらにのせたいのですが、スプーンはカタクリ粉に引っかかったようになって、きれいに取るのも一苦労です。カタクリ粉は、水によく溶けて液体となるようでもあり、固体のようでもあるという何とも不思議な手応えがあります。やっと手のひらに盛ったものを丸めますが、力を入れているときにはしっかり固くなって手で弾ませることもできます。ところが、力をゆるめるとたちまち崩れてしまい、手の指の間から液体が漏れ出すように落ちていってしまいます。あわてて手ですくって形を整えようとすると素直に固まりますが、やはり力をゆるめるとどろーっと流れ出すのです。実に不思議です。溶液をゴム手袋に詰めたものも、何とも言えない感触です。ゴム手袋を握って握手をしてみると握り返されたような感じがしてギョッとしてしまいます。

「解 説」
 ダイラタンシー
 カタクリ粉溶液のこれらの興味ある振る舞いは、ダイラタンシーという現象で、通常時は液体ですが急激な力を加えると固体のように振る舞う性質を持つものです。この現象は、片栗粉粒子の並び方とその間にある水の空間の取り方に関係していて、静止状態と外力が加えられた状態で変化が起こることにより生じます。静止状態では水の中で粒子が一定の距離で互いに密になって液体の性質を示しますが、外力を急激に加えると粒子が離れて体積が膨張してしまい、その粒子の間に水が急激に吸い込まれていきます。水は大きな表面張力を持っていますから、離れていく粒子を引きつける役割を果たすのです。つまり、外力によって粒子を引き離そうとする力とそれと逆の引きつけようとする水の力のせめぎ合いの結果、全体が固まったようになるというわけです。力をゆるめれば、粒子間に働く表面張力も弱まりますから、水は粒子を溶かす溶剤の役割を果たすのです。水を含んだカタクリ粉団子を丸めているときには表面が一瞬乾き、力をゆるめると内部から水がじわーっとしみ出てくるのは、このように説明することができるでしょう。
            

濡れた砂浜に足を踏み入れると・・
 砂浜の波打ち際に立っていると足の周りの砂地が乾いて見えることがありますね。ゆっくり砂地を踏みつけると足は吸い込まれるように入っていきますが、体重をぐっと足にかけるといきなり足の周囲が固まる感じがしてきます。これがダイラタンシーです。やはり砂遊びで大きな穴を掘って、波の防波堤を作って遊んだことがあるでしょう。砂を海水と混ぜていっしょに手ですくうときには液体ですが、その手から海水がしたたり落ちてしまうと砂が手の上で固まるあの感じです。カタクリ粉の場合ははるかに粒子のサイズが小さいので、ダイラタンシーが劇的に起こるのだと考えられます。


【管理者】山田暢司
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