<らくらく化学実験>

変化してこまるど!

「実験テーマ」
塩化コバルトを使って色の変化を観察する

「実験概要」
コバルトイオンは、条件によって錯イオンの形を変える。形の変化に伴い、色も微妙に変化する。乾燥剤に入っていたブルーの粒で、湿気を帯びるとピンク色に変わるというのも、このコバルト錯イオンが関係している。


「画 像」
左:水分を含むと桃色だが乾燥させると青(コバルトブルー)色に!
中右:塩化コバルト紙 Co:コバルトの元素記号

「画 像」
左:溶液をろ紙にガラス棒でつける
中:濃塩酸を加えてみる。右に行くほど塩化物イオンの濃度が高い。
右:ビーカーで色の比較

「動 画」
ガラス棒でろ紙に付けたあと火で軽くあぶると桃色から青色に!
「動 画」
塩化コバルト水溶液をろ紙に付けて火であぶる_その2
「動 画」
塩化コバルト水溶液に濃塩酸をゆっくり加えていくと色の変化が現れる。

「準 備」「操作手順」
WEB非公開:掲載情報は、指導者向けであり、一般への公開は危険を伴う場合もあるため、ネット上での公開は停止しています。詳細データは、各研修会や発表会にて配布しています。


「実験上の工夫点」

  1. 実験Ⅰでは、火であぶった結晶をろ紙に出して観察しても良い。
  2. 実験Ⅱでは、はっきりと色変化が起こるまでかなりの濃塩酸が必要になるので、塩化コバルトは少なめにした方が良い。
「解 説」
 
遷移金属がつくる錯イオンは、配位種によって色を変えるものが少なくない。結晶溶解により配位している分子が変わったり、錯体の構造が変化する場合もある。また、塩の水分子が配位している場合もあれば、単なる結合水であることも。材料の塩化コバルト(Ⅱ)水和物の場合、6個の水分子は、Co2+の配位水となって、正八面体構造を形成する。塩化物イオンは単にイオンの対として存在しているわけだ。この結晶を加熱すると、配位水が失われ無水物となり青色を呈するが、吸湿によってまたもとのピンク色にもどってしまう。シリカゲル製の乾燥剤の色変化や コバルト紙はこれを利用したもの。最近は目にすることがなくなった、簡易晴雨計として色の変わる飾り物に「お天気ネコ」というものもあった。
 塩化コバルト6水和物は、[Co(H2O)6)]Cl2であり、
[Co(H2O)6)] 2+と2Cl-がイオン結合によって分子を形成している。加熱による色変化は、配位していたH2Oが離脱することにより、水に溶解した際には、次のような錯イオンとなる。
    
   [Co(H2O)6)]Cl2  ⇄  [Co(H2O)6)] 2+  + 2Cl- 
            ヘキサアクアコバルト(Ⅱ)イオン(ピンク色)

 濃塩酸を加えることによる色変化は錯体の構造そのものが変わってしまうもので、形は4配位となる正四面体構造を取る。
 
 [Co(H2O)6)] 2+ + 4Cl- ⇄ [CoCl4] 2- + 6H2O - Q
       テトラクロロコバルト(Ⅱ)酸イオン(深青色)
 
 この反応は平衡を保っており、濃度、温度によって移動する。特に、吸熱反応であるため加熱によって右への移動が色の変化により確認できる。[実験Ⅱ]では、エタノールと水の界面で平衡が保たれ、深青色とピンク色の層が観察される。

ヘキサアクアコバルト(Ⅱ)イオン

テトラクロロコバルト(Ⅱ)酸イオン

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編集:山田暢司