○実験には学習の確認と「先行体験」の意味がある:実験の演習では体験をもとに考える習慣を

 実験中での「演習問題」が難しいという声を聞く。また、中学校まで、実験というと授業内容の再確認であって、とうもわかりきった結果を期待するという向きがあるようだ。しかし、授業での教科書に沿った進行に対し、数時間に1−2カ所くらいやや発展的内容を考えさせたいという意図もあるのだ。例えば、「大した大気圧」の実験では、教科書でいう電子配置に加え三態の変化のテーマはもちろん、水の極性から雪の結晶がなぜ六角形を作るのか、さらに水の蒸気圧の復習までやりのけてしまうのだ。もちろん、教科書通りに順序立てて進めていくのが基本の大前提だが、化学などという科目は高校に入って初めて関わる内容ばかりだ。レンズ遊びをしたことがない生徒に、やれ屈折率だ、焦点だの教えるのがえらく難儀なのと同様、まったく「新しい内容」を学ばせるというのはもともと酷な話である。次はこれ、今度はこれという連続ではすぐに「いっぱいいっぱい」になってしまうだろう。ある程度、実験を通じて事前に学習内容に触れ(先行体験という!)ていれば、教科書で新しい内容に取組んでもさほど抵抗なく受け入れられるという考えも成り立つ。いきなり授業で価電子1の元素だのイオン化エネルギーだのと語られるよりも、アルカリ金属の実験で物質に関わった体験があれば、「ああ、そういうものか」「例のあれね」というような形で学習に取組みやすいのだ。
 だから、実験には学習済みの確認に加え、「先行学習」という側面もあるという結論だ。今後もそういった意図で学習の幅が広がるテーマを増やしていきたいと考えている。

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Script by 山田暢司