○たかが百人一首大会というなかれ

 全員の取り札の平均枚数を全クラスで競うというシビアな行事だった。ある意味、学力のアベレージがものをいうゲームだから、2組は優勝を狙えるだろうと思っていた。後で聞いた話では、某組では、優勝目指して担当の先生がかなりの修練を科していたらしい。結果発表後、「2組の優勝は想定の範囲内」っと軽く言いのけてみたものの、実際は某組にわずか平均0.1枚差での優勝だった。枚数集計作業では、1番のI田がぶっちぎりの1位で、その後ずっと1位を維持したものの、男子の後尾の方でまさかの一ケタ枚数が続き、逆転されてしまう。しかし、ラスト40番W田の健闘によりようやく再逆転の肉薄、僅差での優勝だった。優勝賞品のチョコレート40枚を逃した外語4組の悔しさは半端ではないだろう。取り札0.1枚の差がチョコレート40枚の差になる・・・割合aは、チョコ枚/取札で表せるから、a=40/0.1=400、つまり平均取り札たった1枚あたりチョコ400枚の価値ということになる!勝負の世界は物理方程式のように実にわかりやすく非情なのである。それでも日本文化、伝統といえる和歌かるたに触れるという大切な経験にはなった。この時期にたたき込まれた古典のリズムが日本人としての素地を作ることは間違いない。
 担任も異常に古典好きで、受験や専門化学の学問には直接役に立たなかったものの、古典の教養があったことで、ずいぶんと良い思いや得したこともあった。今だに、ちょっとしたコメントを源氏物語や万葉集から引用することもある。また、その引用について全く年齢層や職種の違う方々から質問を受けることもあって、建設的な交流が生まれることもある。まことに教養とは無駄にならないものであるし、教養とは「そういうもの」なのである。問題は、多くの場合、そのことに気づくのが大人になってからだということなのである。


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