<らくらく化学実験>

    シャー芯ビンライト  

「実験テーマ」
ガラスビン電球を作る

「実験概要」
空きガラスビンが電球になる。フィラメントはシャープペンシルの芯で、基本は炭素。細い芯に電気を流せば、抵抗が高くなり、熱や光エネルギーが光が放出される。

「学習項目」
@  黒鉛 A導電性 B電磁波


「画 像」
アルミホイルを接点にして折れやすい芯を保護する。うまく固定するにはコツが要る。実験を繰り返す場合は、冷えるのを待つこと。
一気に電流が流れると、芯が燃え尽きてしまう。スイッチオンオフを繰り返して様子を見る。乾電池の代わりにスライダックがあればベスト。



「動 画」
シャープペンシルの芯が光る




「動 画」
電圧を操作すると比較的長く発光させることができる


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「準備物」
ガラスビンのフタ ワニグチリード線2組 クギ グルーガン 厚紙 テープ シャープペンシルの芯 アルミホイル 脱酸素剤(または携帯用カイロ)

「操作手順」

  WEB非公開

「注意事項」

1.  芯の燃焼をできるだけ防ぐため、ビン内の酸素をあらかじめ排除しておく。携帯用カイロは、数時間前に入れておくのが望ましい。

2.  ワニグチリード線の固定は、厚紙を支えに使ってテープで張りつけても良い。

3.  クリップや付属部分もかなり熱くなるので、操作をやり直す場合は、装置が十分に冷えてから行う。

4.  一回の通電でかなり乾電池が消耗する。連続して実験する場合は、スペアの乾電池を用意しておく必要がある。

「解 説」

1.  芯が発光する

芯の主成分である黒鉛には導電性があるが、シャープペンシル用の芯のように細い素材の場合は、電子が通過する際に、より熱エネルギーを生じやすい。これがある程度の温度になると、黒鉛そのものが光を放つようになるのである。この通電による発光は電磁輻射であり、物体の温度に応じた波長の電磁波が輻射されている。始めは暗いオレンジ色が、徐々に芯の温度が高まって、黄色〜白色へと明るく輝き出すのが観察される。一般の照明具のフィラメントに、融点の高いタングステン(3,382K)が使われるのは、人が自然と感じる太陽の表面温度(5,600K)に近づけるための工夫である。ちなみに、芯が焼き切れる寸前の強く白い輝きが興味を引くが、この激しい発光は、芯の燃焼によってわずかに電極間に隙間ができ、炭素蒸気を導体として電流が流れて発光する「アーク放電」であると考えられる。

2.  黒鉛の導電性

芯の主な素材である黒鉛(グラファイト)は、炭素原子どうしがsp2で平面に広がり強い共有結合でつながり、6角形の網状の構造をつくっている。残りの電子はπ結合により、平面から一定範囲内で自由に動けるので電気を導くのである。黒鉛は、物質全体としては、平面が層状になってファンデルワールス力で結合した層構造をしている。層状にはがれるへき開性を持つため、鉛筆の芯を紙面に押しつけると、はがれた黒鉛が文字や絵として認識されるのである。なお、鉛筆やシャープペンシルの芯は、粘土やプラスティック等と混合させて強度や滑らかさを調整している。

「参 考」

日本化学会『化学意表を突かれる身近な疑問』講談社

山田暢司『身近なものを素材として使う実験』化学と教育2003514p224

「確認演習」

  1. フィラメントへの通電発光のイメージを図説しなさい。
  2. 携帯カイロ等を入れる理由を答えなさい。
  3. 長持ちするフィラメントの条件とは何だろうか、考えられるだけ挙げなさい。

    関連実験ページ:ただの炭ではすみません
    関連実験ページ:アークで明るく

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編集:山田暢司