<らくらく化学実験>

      栄光のエコ電池  

「実験テーマ」
炭とアルミホイルで電池を作る

「実験概要」
浄化作用で何かと話題の備長炭、これが電池になる。内部の微細構造が決め手、アルミ缶をリサイクルして使えばまさにエコ電池!

「学習項目」
@イオン A電子 B酸化還元反応 C電池

「画 像」
左:軽く火であぶることで、水分などの不純物を除く。放冷により、酸素が吸着してくる。炭素は単なる導体で、酸素が陽極となる。
右:電解質は、酢でもかまわないが、臭いがきついので、3%の食塩水で十分。接点は銅線一巻きさせる。



左:さして強く握らなくても元気よく回り出す。数時間は軽く回り続ける。
右:アルミ缶を使ってみると、リサイクルの実感がわく。




動 画」
食塩を少量加えるとモータが回り出す。さして強く握らなくても元気よく回り出す。
アルミホイルが消費しきるまで、数時間は回り続ける。



動 画」
電池特性を測定してみた。ぎゅっと握ればなんとか特性曲線が確認できる。



「動 画」
アルミ缶を使って。アルミは電気の缶詰といわれる理由が実感できる。


「動 画」
備長炭をお湯にいれたら泡がたくさん発生してきた。たくさんの空気を吸収していることがわかる。


「準 備」

「操作手順」
  WEB非公開

「注意事項」

1.  電子部品に食塩水が付着しないように注意する。付着したら、濡布で拭き取ること。

2.  炭は軽く水洗して返却する。

「解 説」

1.  アルミニウムが電子の供給源

アルミホイルはもちろん、缶、一円硬貨、サッシ、タイヤのホイル、食器、航空機の本体まで、身近にはアルミ製品があふれている。しかし、原料のボーキサイトのほとんど海外に依存しており、船舶で輸入したものを電気分解することで単体のアルミニウムを得ている。さらに加工して製品の体を成すまでには、大変なエネルギーを要している材料なのである。アルミ缶1個を作るのに、テレビ数時間をつける電気を消費すると言われ、電気の缶詰と呼ばれるのもうなずける。アルミ缶がリサイクルの優等生とされる理由もここにある。アルミニウム1〔mol〕は27g〕であり、すべてをイオン化できるとすると3倍量の電子が放出される。ちなみに、1mol〕の電子(e-)は、96500C〕に相当する。

Al  → Al3+ + 3e-

ところで、回路に流れた電気量QC〕は、電流の大きさIA〕と時間ts〕の積で表すことができる。また、流れた電気がする仕事WJ〕は、電力PW〕と時間ts〕の積である。仮にアルミ缶1個を作るのに40W〕の電球を10時間点灯できると聞けば、いかに大量の電気が使われているのかを算出により実感することができる。おにぎりを包むアルミホイルを捨てるのも惜しくなってくるに違いない。

       電気量:Q=ItC〕   仕事量:W=Pt=VItJ

 

2.  炭は優れた電極

炭の主成分は炭素であり、ほぼ炭素の単体と考えて良く、金属でなくても導電性を示す物質である。この電池の場合、炭が正極として、アルミホイル側から供給された電子を酸素に渡し、水酸化物イオンになるのを助ける働きをしている。また、炭は、熱によって植物体から水分子が除かれたもので、細胞の形がある程度保持されたまま細かい空間(多孔質体)を作るので、炭の内部に酸素が吸着されやすくなる。備長炭は特に酸素の吸着度が高く、電極での酸素濃度を高く保つので、より酸化還元反応を起こしやすいと考えられる。この電池における各電極における反応は次の通りである。

負極:Al  → Al3+ + 3e-  ・・・@    電子を放出する側

正極:O2 + 2H2O + 4e- → 4OH- ・・・A  電子を受け取る側

両方の電極での反応を@+Aとしてひとまとめにすると次のようになる。

4Al  3O2 + 6H2O  → 4Al(OH)3

反応後の炭電極側のペーパー部分で、フェノールフタレインが赤紫色を呈するのは、正極に生成する水酸化物イオンによるものである。


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編集:山田暢司