1. らくらく化学実験_ルミネッセンス 圧電素子

    らくらく落雷 

    「実験テーマ」

    人工「雷」を観察する

    「実験概要」

    着火といえばカチッと一発、便利なライターが使われるようになっている。ガスも不要、燃えかすもなしの安全グッズで知られるが、使われている圧電素子にはある種の結晶の性質が利用されている。この素子を使い、紙の疑似平面で人工のミニ雷を起こしてみる。厚紙にアルミホイルを貼り付けて、大気圏に見立てた疑似空間を工作し、そこに圧電素子をつなげて放電させる。ミニサイズの「落雷」であるが、人工「雷」の挙動は、なかなか神秘的である。

    「学習項目」
    @  イオン結晶 A強誘電性 Bルミネッセンス
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    「画 像」
    左:電子ライターから取り出した圧電素子
    右:疑似空間



    「画 像」
    左:形と面積による?不思議な挙動。
    中:鉛筆(炭素粉)でなぞったあとを通りやすい
    右:高さより質量が大きい方に落雷しやすい?



    「画 像」
    左:Nakamura圧電点火器D型B10-4522
    右:グローランプ

    「動 画」
    圧電素子で放電現象を観察してみる



    「動 画」
    距離はあっても体積の大きい方に優先して放電が起こる



    「動 画」
    鉛筆でなぞったところを通りやすい


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    「準備物」
    WEB非公開

    「注意事項」

    1.  感電に注意する。

    2.  暗くしたり、虫眼鏡を使うと観察しやすい。

    「解 説」

    1.  イオン結晶への衝撃で生じる電気

    ロッシェル塩を始めとするいくつかの物質は、強誘電性を示すことが知られている。これは、結晶の一方から強い衝撃を加えると、片側の面にプラス、反対側にはマイナスというように正負の電荷が発生するという現象である。原子が整然と並ぶイオン結晶でよく見られる現象なので、衝撃による電荷の逆転が連続して伝わるようなイメージで、広い意味での摩擦ルミネッセンスと考えることができるだろう。衝撃を与えた側面と、反対の面の両極からリード線を引くと、電荷の偏りを解消しようとして、その間で放電が起こるのである。身近なところでは、ガスライターを簡単に着火させる仕組みに利用されている。ちなみに、ロッシェル塩は、その昔、強誘電性が発見される以前は、ぶどう酒工場の樽の底にできる結晶で、下剤として使われていたという代物。今や、ライターの火花の他に、圧電ブザーや圧電モーター、魚群探知機などの精密機器、セラミックコンデンサーやメモリーにも応用され、今後さまざまな分野で活躍が期待される素材である。

    2.  人工落雷で雷の性質を知る?

    アルミホイルやクリップでつくる疑似空間は、形や間隔を工夫すると楽しく観察ができる。例えば、雷についての一般的知識で、低い建物と高い建物では、高い方で放電が起こりやすい。しかし、四角い建物と先のとがった樹木や丸いドーム型では、意外にも丸いドーム方の方に落雷しやすいのである。これは、先のとがった方がエネルギー的に放電しやすいと思いがちであるが、ドーム型の面積の効果が上回るのではないかと考えられる。さらに、鉛筆で線をなぞると、電気が炭素粉末に導かれるが、条件を等しくしたつもりでも、稲妻が枝分かれしたり、放電するコースが毎回ばらばらになるなど不思議な振る舞いも観察できよう。高電圧によるプラズマの様子は、まことに奥深く、興味深いものだと実感できる工作実験である。


    「確認演習」

    1. 鉛筆で線を描く目的は何か?
    2. 摩擦ルミネッセンスと考えられるものは、他にどんなものがあるだろうか?

    「参 考」
    Quark『ハテナ?ナルホド実験室』講談社
    関連実験ページ:電子レンジでチャレンジ
    関連実験ページ:がんばってガムテープ
    つれづれ化学草子:
    つれづれ化学草子:雷を捉へし縁

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    編集:山田暢司