らくらく化学実験_物質の性質 アンモニア

アンモニアの赤なんだもん

「実験テーマ」アンモニアの噴水
「サブテーマ」アンモニアなんだもん。
「実験概要」アンモニアガスをフラスコに捕集しておき、ガラス管で水の入ったビーカーと通じさせる。アンモニアは、ごくわずかな水にでも大量に吸収されるので、フラスコ内の気圧は急減する。水には、あらかじめフェノールフタレインを滴下しておくので、減圧されたフラスコ内に、赤い噴水が勢いよく表れる。

動画@:呼び水がきっかけになってフラスコ内が一気に減圧される
「操作手順」
 
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「注意事項」

1.  アンモニアガスが発生するので換気に十分注意する。

2.  丸底フラスコは完全に乾いたものを使用する。発生した気体を乾燥させるためのソーダ石灰管を付けると良い。

3.  アンモニアガスの上方置換では、ガラス管を逆さにしたフラスコの奥深く差し込むこと。→ 空気を排除するため。

上方置換のセット

リトマス紙は青変

水を注入

赤い噴水

「解 説」

1.  アンモニアが発生する

塩化アンモニウム NH4Cl と水酸化カルシウム Ca(OH)2 の混合物を加熱すると、弱塩基の遊離が起こり、アンモニア NH3 が追い出されてくる。さらに、正塩 CaCl2 H2O も生じてくる.

2NH4Cl Ca(OH)2  →  CaCl2 + 2NH3 +  2H2O

生成した、アンモニアは、分子量 17 の軽い気体なので、上方置換が望ましい。アンモニアの生成の確認としては、リトマス紙やpH試験紙でも容易に確認できる。もっとも、アンモニアのpHは、アンモニアが水に溶解する際の電離定数と水のイオン積から、11程度であることは算出できる。

NH3 + H2O  NH4+ + OH-・・・電離定数Kb=1.8×10-5mol/L

H2O  H+ + OH-・・・水のイオン積KW=10-14mol/L2

OH-=CKbの対数をとってpOHを出し、14からpOHを引けば良い。

2.  アンモニアは少量の水でもたくさん溶解する

アンモニアは、25℃において、1mL〕の水に、実に600mL〕以上も溶解する。アンモニア分子は、不対電子対と3本の価標による、いわゆる三角錐構造をしている。水も、2組の不対電子対と2本の価標を持つが、分子全体としては、アンモニアも水も、正四面体構造の頂点に電子対を持つ意味では、基本構造が同じである。ともに、極性分子であるから、よく混ざりあうのである。アンモニアの水への溶解が、容器内の減圧を起こし、ビーカーからの水を誘い込む。あらかじめ加えておいたフェノールフタレインとアンモニアが反応して、鮮やかな赤を呈するので、演示効果も大きい。乾燥気体の捕集がうまくいけば、1m近いガラス管でも勢いよく赤い水の噴水を観察することが可能である。

<参考_より簡易的な装置の例>
試験管から直接アンモニアを得る簡便な方法
pH試験紙が青変する。近づけなくてもすぐ反応する。
動画A:勢いよく水が吸い上げられる!
「演習問題」
  1. 2.0gの塩化アンモニウムと完全に反応するのに必要な水酸化カルシウムのモル数と質量を計算しなさい。
  2. 前問より得られるアンモニアNHの体積を計算しなさい。ただし、1気圧、気温は27℃とする。
  3. アンモニアが水と反応する際の化学反応式を書きなさい。
  4. 生成するアンモニウムイオンについて、構造式で表しなさい。また、アンモニウムイオンがこのような構造を持つ理由を電子の配置示しながら図説しなさい。
  5. 使用した指示薬の特徴を述べなさい。
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編集:山田暢司