らくらく化学実験_表面張力 界面活性 

銅線アメンボどうして浮くの


 銅線製のアメンボが水に浮く?いくら軽いとはいっても金属製。そのままボッチャン沈没かと思いきや、見事に水上でゆらゆら。この現象、なかなか奥が深そうだ。


<YouYube動画>
表面張力の実験:銅線で作成した「アメンボ」が水に浮いているところに、わずかな油を滴下する。水面上に広がる油膜に呼応してアメンボが動くことがはっきりり見える。最終的にはアメンボは重量に耐える表面張力がなくなったっことで沈んでしまう。



動 画:しずかに水面に浮かべる
動 画:洗剤付きのつまようじをつける

「注意と工夫」
  1. 線の太さや形により、難しい場合は、水との接触面にロウを塗るとよい。
  2. アメンボをティッシュに乗せたまま、水面に静かに置く方法が、成功率が高い。

「解 説」
表面張力による浮力
 
もうだいぶ前のことになるが、科学者の毛利衛さんがスペースシャトルに搭乗した際、船内での実験の様子がTV中継されたことがある。その時、ボトル内の水をストローで吸い上げ、空間で美しい大きな球状の水を作るライブ映像を観る機会があった。水はお互い引き合ってまとまる性質があり、最も
エネルギー的に安定した形が球体であるということが実感できた瞬間であった。重力の影響を排除できる宇宙ほどではないが、露のような少量の水滴であれば、地上でも表面張力の存在を確認することができる。草葉の上ではじかれてまるくなる露(左下画像)、雨もしずくも霧もそうだ。コップ一杯に水を注いだ時の、コップの縁の水をよく見ると、こぼれそうでなかなかこぼれないときの、水の端は丸みを帯びている。その姿は、まるで水が引き合ってはお互いが離れないように力を尽くしているかのようだ。
 
表面層の水分子は、内部の水分子の分子間力との違いによって、表面積を小さく保とうとする。銅線製のアメンボの場合、銅線が接触している水がわずかにはじかれるが、水の境界面には曲面が生じ、表面張力が浮力に加担し、銅線の重みをはねかえすようにしてつり合いを保つわけだ。
ナスタチウムの葉の上の露 水分子は内部に入り込んで安定する

界面活性剤が表面張力を弱める
 
強力な表面張力だが、洗剤(界面活性剤)を加えることで、水の界面が柔軟になり、水が引き合う力が弱まる。界面活性剤は、
疎水基部を空気の方に向けて表面に並び(右上画像)、親水基部が水分子を引きつけるので、表面で結束していた水の鎖が解かれ、緊張が和らぐ感じになる。つまようじで洗剤を加えた瞬間に浮力生む曲面がその形を保つことができなくなり、アメンボは沈んでしまうわけだ。

   関連実験ページ:さかさまコップ、まさか!
   関連実験ページ:つまようじスイスイ
   つれづれ化学草子:よどみに浮かぶうたかた

 「参 考」科学手品ファンクラブ(外西俊一郎 成美堂出版)
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編集:山田暢司