<らくらく化学実験_リビングケミストリー>

「実験テーマ」空き缶で爆発実験

「サブテーマ」空き缶、なめたらあかん!

「目 的」エタノールの燃焼の化学反応式から、各成分のモル比や分子数、質量との関係をまとめる。また、火の扱いには慎重であることが求められることを学ぶ爆発の模擬体験。

「学習キーワード」アルコールの燃焼 モル 化学反応式 原子価 構造式
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動画:少量のアルコールでも爆発!_その1



動画:少量のアルコールでも爆発!_その2

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「準 備」アルミ缶 クギ 消毒用エタノール1mL ライター 紙コップ

「手 順」

「操作手順」

  WEB非公開

「注 意」

1.            アルコールの試薬ビンやピペットは引火するおそれがある。火もとから遠ざけておくこと。

2.            アルコールが残っていると、火が残るので、缶の底にたまらない程度にする。また、再度実験を繰り返す場合は、必ず火が消えていることを確認してからにする。

3.            点火前に缶を手で暖めるとアルコールの気化が進み、成功率が高くなる。

「確認演習」 

1.            エタノールCOH について

(1)             炭素は(   )価、水素は(   )価、酸素は(   )価で、分子内の原子間の結合は、電子をお互いに出し合う(    )結合により結びついている。

(2)             構造式を描きなさい。 



2.            エタノールCOH 2.3gを完全燃焼させる場合について

(1)エタノールCOH の分子量を求めなさい。(            )

(2)次の表にエタノールCOが完全燃焼して二酸化炭素と水を生成する際の化学反応式や、反応の前後におけるそれぞれの物質のモル数、質量、標準状態における体積、粒子(分子)数について下表にまとめなさい。 (アボガドロ定数=6.0×1023)

 

反応前

反応後

物質名

エタノール

酸素

二酸化炭素

反応式

 

 

モル数

 

 

 

 

 

 

質 量

 

 

 

 

 

 

体 積

 

 

 

 

 

 

粒子(分子)数

 

 

 

 

 

 


<解 説>

1.エタノールの電子配置を示し、構造式を書かせると組成式、示性式との違いも理解しやすい。C、H、Oの原子価も併せて学ぶ。

2.エタノールは引火しやすいが、密閉容器にエタノール蒸気と一定量の酸素があると、かなりの爆発力になる。扱う燃料はごく少量でも、条件によっては危険が伴うということが実感できる。エタノールが燃焼する際の反応式は次のとおりで、完全燃焼により、二酸化炭素と水のみを生成。爆発の経験で終わらせることなく、気体反応の物質量や分子量、アボガドロ数等についても習熟させたい。

OH + 3O → 2CO + 3H


「補足:コメント」
爆発が起こる条件
 
可燃物が爆発を起こすには、空気がある一定の割合で混合されている必要があります。条件により、ガソリンのように危険な可燃物に点火してもメラメラ燃えるだけの場合もあり、反対にろうそくの炎でもガラスを溶解させる高温を作り出すことも可能です。燃料は有機化合物であり、含まれている炭素Cが燃焼してCOに変化する際に出るエネルギーが利用されるわけですから、空気(酸素)が不十分だと効率よく燃えません。炭素Cが燃え切らない場合が不完全燃焼であり、炎はオレンジ色になりススが出たりするわけです。逆に、多くの酸素に触れてやるようにすると火勢が強くなり、炎は青味がかってきます。燃焼効率が上がるので、温度も高くなるのですが、この効率良い燃焼が極端なかたちで起こるのが爆発という現象です。
 爆発が起こる条件(空気との混合比:爆発範囲)は、物質によって違っていて、例えば石油よりガソリンの方が爆発が起こる範囲が広い(爆発しやすい)などと表現されます。
火の扱いは大仕事
 学校現場では生徒の火の扱いの下手さ加減がよく話題になりますが、ガスバーナーはおろかマッチを擦ること自体が大仕事です。ところが、そうグチをのたまう先生方の中にも火を直接扱う文化から疎遠な世代が多くなり、火の扱いそのものを敬遠する傾向が出てきているようです。かつてはアルコールランプやガスバーナーは実験道具の定番でしたが、もし事故が起きたらそれこそ大変と、神経質に考えを巡らす傾向が強くなったのでしょうか。それとも、実験準備そのものが面倒で、火を使った実験が相対的に減ったのでしょうか。いずれにせよ、子どもにとってダイナミックな科学現象に出会う機会が少なくなっているということはとても残念なことです。基本的な配慮事項を守ればどうということはないので、安全への配慮を徹底した上で、体験をさせることを大切にしていきたいものです。
 もっとも、高校生くらいになるとライターの扱いにやたら手慣れた生徒がたまにいて、理科実験となるとやたら元気に振る舞う者も多いようです。リーダーシップを取ってくれているうちは良いのですが、アルコールを扱っているということを忘れないようにしたいものです。
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編集:山田暢司